世界の馬伝染病情報


2001年第1四半期(1月−3月)の伝染病発生状況についての報告
(International Collating Center からの情報)  
2001年5月


オーストラリア
クイーンズランド州
:
流産−7例が報告されている。1例の糞便から、Aeromonas spp.が分離されているが、その他に有意な分離菌は存在しなかった。
サルモネラ感染症‐1頭の牝馬からSalmonella typhimuriumが分離され、5頭の疑似患畜が認められたが、それ以上の拡散は認められていない。
腺疫S.Equi
60頭中16頭に認められた。しかし、致死例は存在せず、臨床症状はいずれも軽度であった。
腫瘍‐様々な種類の腫瘍の発生が報告されているが、33頭中16頭がウマサルコイドと診断された。

ビクトリア州:
流産−ウイルス分離例は認められなかった。
ロスリバー熱(ROSS RIVER FEVER−陽性頭数の若干の増加が認められた。
サルモネラ感染症‐Salmonella bovi mortbificansが、糞便培養から認められたが、回復状況および臨床症状についての詳細については不明である。

カナダ
報告が未着であった。

デンマーク
報告事項なし。

フランス
馬ヘルペスウイルス(流産型)
−IF(免疫蛍光検査法)による診断。
サラブレッド種:CalvadosおよびOrne(異なる厩舎3ヶ所)で発生した。
馬ヘルペスウイルス(呼吸器型、EHV-4−サラブレッド種:Yvelinesで発生した。ウイルス分離およびPCRにより診断(スワブ)された。
以下の症例は、血清学的に診断された。サラブレッド種:Bouches-du-Rhone、Calvados(3厩舎)、Eure-et-Loire、Loire-Atlantique(2厩舎)、Maine-et-Loire、MayenneおよびYvelines(4厩舎)非サラブレッド種:速歩馬−Loire-Atlantique 、Marne、Mayenne 、Nord,Bas-Rhin、Sein-et-Loire、Seine-et-Marne、Yvelinesで発生した。乗用馬−Cotes dユ Armor、Eure-et-Loire (3厩舎)、Nord(2厩舎) 、Oise、Bas-Rhin、Saone-et-Loire、Seine(2厩舎)、Seine-et-Marne(2厩舎)、Yvelines(6厩舎) およびEssonne(2)で発生した。その他:Maine-et-Loire、Moselle、Seine、Seine-et-Marne、Yvelines(2厩舎)およびVal dユOiseで発生した。
馬ヘルペスウイルス(神経型)−FinistereおよびPyr始仔s-Atlantiquesで発生した。
馬ヘルペスウイルス(呼吸器型)−以下の症例は、すべて血清学的検査により診断された。
サラブレッド種:Calvados(4頭)、Maine-et-Loire、Oise、Orne(2頭)およびYvelinesで発生した。
非サラブレッド種:速歩馬−IndreおよびNordで発生した。乗用馬−C冲es dユArmor、Essonne、Gers、Loire-Atlantique(2頭)、Sa冢e-et-Loire、Seine et Marne(2頭)、Vend仔およびYvelines(3頭)で発生した。その他−Essonne、Hauts-de-Seine、Moselle、YonneおよびYvelinesで発生した。
馬インフルエンザ−
以下の症例が血清学的に診断された。
サラブレッド種:Calvados、Eure-et-Loir、Loire-Atlantique 、Maine-et-Loireで発生した。
非サラブレッド種:速歩馬−Yvelinesで発生した。乗用馬−Nord、Seine,Seine-et-Marne、Yvelines(2厩舎)、Essonne(3厩舎)およびVal dユOiseで発生した。
馬伝染性貧血−速歩馬:Bouches‐du‐Rhoneにおいて、1頭が臨床症状に基づいて、安楽死処置が実施された。
狂犬病 − 事例なし
馬ピロプラズマ病−フランス南部の風土病である。

ドイツ
報告が未着であった。

香港
報告事項なし。

アイルランド共和国
馬ヘルペスウイルス
1
 14頭の死亡胎仔あるいは新生仔馬から、EHV−1が分離された。9施設14頭(サラブレッド種13頭、非サラブレッド種1頭)が感染した。3頭の感染馬は同一施設に繋養されており、牝馬にはワクチンが接種されていた。
 EHV−1は、大規模な育成施設に繋養されているウマからも分離された。血清学的診断の結果から、感染後あまり時間は経過していないものと考えられた。
腺疫‐
 18頭のウマからStreptococcus equiが分離された。しかし、この頭数は正確ではなく、検査を受ける指導をされた馬群からの摘発頭数であり、実頭数は18頭を超えているものと考えられる。
サルモネラ感染症‐
 2施設2頭において感染馬が報告された。

イタリア
口蹄疫‐
馬の行事の小規模な中止が自主的に行われたが、公的な中止命令は出されなかった。
ピロプラズマ−イタリア中部および南部において、流行が認められた。
腺疫−全国的に散発した。

日本
馬ヘルペスウイルス
1型(流産型)− 1月4日に発生し、最終報告は2月23日であった。6施設で10頭の繁殖牝馬が感染し、うち3施設3頭はワクチン接種済みであった。
破傷風−1月31日、1施設1頭(サラブレッド種、仔馬)に発生.したが、回復した(診断は臨床症状に基づく)。3月22日に1施設1頭(サラブレッド種、仔馬)に発生し、死亡した(診断は臨床症状に基づく)。

ニュージーランド
報告事項なし。

ノルウェー
報告が未着であった。

シンガポール
報告が未着であった。

スウェーデン
馬ウイルス性動脈炎−
7頭の種牡馬の精液から、PCRによりウイルス分離された。臨床症状は示していなかった。
馬インフルエンザ−2000年12月17日にスウェーデン南部において、第1報が届けられた。しかし、今では北部にまで達している。ウイルス分離により診断され、乗用馬、繁殖用馬、サラブレッド種および非サラブレッド種を含めて、30頭が感染した。流行は集中的であり、臨床症状は総じて軽度であるが、重篤になりつつある。
腺疫−菌分離により、診断された。発生は限局的であり、臨床症状は軽度であった。26頭が感染した。

スイス
バシラス感染症(
Bacillus Piliformis)−
Juraにおいて、生後2週間の仔馬(1頭)が、死後Tyzzer病と診断された。
馬ヘルペスウイルス1
3件の届出があった。それらの内の1件は、フランスとの国境に近い北部地方において、3月に流行が始まったものであった。70頭の乗用馬の内、5頭の成馬が様々な程度の臨床症状を示し、1頭の雌馬は概ね2週間元気消沈を示した。その後、後肢の運動失調および膀胱の麻痺がみられる程度にまで悪化し、抗体価は10日以内に1:40から1:5,000に上昇し、最終的に蹄葉炎により安楽死処置された。その他の罹患馬は、体温上昇、咳嗽、軽度の後肢の運動失調および摺曳歩様が認められたが、全て回復した。
馬ウイルス性動脈炎−西部地方で臨床症状を呈したウマが2頭報告された(詳細は不明)。
馬ピロプラズマ病−臨床例(B. caballi/equi)が1例報告された。血清学的検査では、B. equi9例、B.caballi2例および不明1例が確認された。
サルモネラ感染症−1頭のシェットランドポニーに、S.arizonaeによる単純な下痢が認められた。
腺疫−3件の届出があった(中部、GrisonsおよびTicino)。

トルコ
流産−
ある特定のサラブレッド種の生産牧場において、流産に関する疫学調査を実施したところ、EHV‐1によると思われる症例が存在する一方、レプトスピラ属に対する抗体価の上昇が認められる症例も存在した。

国家鼻疽撲滅計画の要約は、来月発表される予定である。

アラブ首長国連邦
馬ピロプラズマ症
Babesia equiおよびBabesia caballiの流行が認められた。

イギリス
馬ヘルペスウイルス(流産型)
−2000年11月28日に初発が報告され、最終報告は2001年1月23日であった。血清学的、ウイルス分離およびPCRにより診断された。発生は限局的であり、1件の生産牧場における3頭であった。ウマは全て製造業者の指示に基づき、ワクチン接種されていた。2001年1月における2つの流産例は、同一あるいは類似株によるものと考えられるが、2000年11月における同一牧場で発生した流産例のものとは異なる。
 サラブレッド種の生産牧場における1頭のEHV‐1による流産例が、2001年1月13日に報告された。診断は、免疫組織学的(胎盤由来EHV抗原)に行われた。ワクチン接種の有無は不明である。
 サラブレッド種の生産牧場における1頭のEHV‐1による流産例が、2001年1月5日に報告された。PCRにより診断された。ワクチンは接種済みであった。
 1頭のEHV‐1による流産例(サラブレッド種)が、2001年1月31日に報告された。PCRにより診断された。ワクチンは未接種であった。
 1頭のEHV‐1による流産例(サラブレッド種)が、2001年1月31日に報告された。診断は病理組織学的に行われた。ワクチン接種の有無は不明である。
 サラブレッド種の生産牧場における1頭のEHV‐1による流産例が、2001年2月5日に報告された。PCRおよび病理組織学的に診断された。ワクチンは接種済みであった。
 サラブレッド種の生産牧場における1頭のEHV‐1による流産例が、2001年2月19日に報告された。ワクチン接種の有無は不明である。
 サラブレッド種の生産牧場における1頭のEHV‐1による流産例が、2001年3月6日に報告された。PCRにより診断された。ワクチンは未接種であった。
 サラブレッド種の生産牧場における1頭のEHV‐1による流産例が、2001年3月27日に報告された。診断は病理組織学的に行われた。ワクチンは接種済みであった。
インフルエンザ−当該期間において、アニマル・ヘルス・トラストはインフルエンザの発生を確認していない。
腺疫−非サラブレッド種において、腺疫が常在している。当該期間において、3頭のサラブレッド種に発生が認められ、隔離処置がなされた。

アメリカ合衆国
仔馬のクロストリジウム感染症−
3月、ケンタッキー中部において、生後48時間以内の仔馬にClostridium perfringens type Aによる感染例および死亡例の散発が、報告された。臨床症状は、出血性腸炎および急性疝痛であった。
馬ヘルペスウイルス(流産型)−2000年9月から2001年4月の間に、ケンタッキー中央部において、21戸のサラブレッド種生産牧場において、25症例が診断された。出産された症例も存在したが、5日以内に死亡した。
口蹄疫−農務省(USDA)は、口蹄疫の発生が報告されている国からの馬の輸入に関して、条件を付加した。
USDAのウェブサイトwww.aphis.usda.govによると以下の条件が付加された。
‐輸出前5日間において、輸出馬が口蹄疫感染動物との接触および同一牧場内に立ち入らなかったことの証明書。
‐輸出前およびアメリカ合衆国の検疫所において、輸入馬は、酢酸溶液(水1ガロン中氷酢酸6.5オンス、約5%)を噴霧あるいは清拭されなければならない。
‐人の靴底および馬具は、検疫され、消毒されなければならない。
‐飛行機により輸送されてくる乾草、藁、肥料および飼料は、袋詰めして、廃棄しなければならない。
レプトスピラ感染症(流産)−2000年11‐12月において、ケンタッキー中部で29件34頭が診断された。その殆どは、Leptospira serovar kennewickiであった。
腺疫−ケンタッキー中央部において、ある大規模なセールに出される予定の馬の間に、大規模な発生がみられた。それらの馬は隔離されて、他のセールに出された。
西ナイルウイルス感染症−2001年4月上旬時点において、蚊、鳥および哺乳類からウイルスが分離された報告は、存在しない。

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