(International Collating Center からの情報)
2003年10月10日
アルゼンチン
EHV-1 流産型
7月29日から8月8日にかけ1施設において20頭のサラブレッド種繁殖牝馬にEHV-1による流産が発生した。ワクチンは未接種であった。Instituto
de Virologia CICVyA INTA CastelarにおいてPCR法を用いたウイルス分離により確定診断がなされた。
EHV-4 呼吸器型
7月4日から10日にかけ1施設において10頭のサラブレッド種にEHV-4による呼吸器病が発生した。Instituto de
Virologia CICVyA INTA CastelarにおいてPCR法を用いたウイルス分離により確定診断がなされた。
ロタウイルス感染症
8月7日に1施設において8頭のサラブレッド種の仔馬にロタウイルスによる下痢症が発生した。Instituto de Virologia
CICVyA INTA CastelarにおいてELISAにより確定診断がなされた。これら8頭の母馬は妊娠期間中にワクチン接種を受けていた。
オーストラリア
組織改正に伴い報告が遅れている。近日中には報告できる予定。
カナダ
報告未着。
デンマーク
報告事項なし。
フランス
馬インフルエンザ
血清学的検査により診断。
サラブレッド種:Maine-et-Loire, Mayenne, Oise(4施設), Sarthe
非サラブレッド種:
サドルホース:Loire-Atlantique, Moselle, Orne, Seine(2頭),
Yvelines(3頭),
Essonne(3頭), Hauts-de-Seine
その他: Eure, Eure-et-Loir, Loire-Atlantique, Seine, Yvelines
鼻咽頭スワブのELISAにより診断。
ポニー :Loire-Atlantique
EHV-4 呼吸器型
血清学的検査により診断。
サラブレッド種: Maine-et-Loire, Oise(4頭), Yvelines
非サラブレッド種:
トロッターホース:Calvados, Mayenne
サドルホース: Seine, Yvelines(3施設)
その他: Yvelines
馬ピロプラズマ病
南フランスでは風土病となっている。
ドイツ
報告事項なし。
香港
報告事項なし。
アイルランド共和国
腺疫
全国で22頭の発生があった。
馬パラチフス
5頭の発生があった。血清型は不明。
イタリア
腺疫
散発的な発生がみられた。
馬ピロプラズマ病
中部および南部では風土病となっている。
日本
日本脳炎 (詳細は10月2日付の「軽防協ニュース速報 号外」を参照)
8月18日に死亡したワクチン未接種の非サラブレッド種が日本脳炎と診断された。日本中央競馬会競走馬総合研究所栃木支所において、大脳を材料としてVero細胞およびC6/36細胞を用いてウイルス分離を行い、RT-PCR法を用いてウイルスの同定を行った。日本国内では18年ぶりの発生である。
破傷風
7月23日にワクチン未接種の当歳サラブレッド種が臨床症状から破傷風と診断された。破傷風抗血清および高単位ペニシリンの投与により回復した。
ニュージーランド
報告事項なし。
シンガポール
報告事項なし。
スペイン
報告事項なし。
スウェーデン
馬インフルエンザ
3施設のサラブレッド種に馬インフルエンザが発生した。9月18日以降は新たな発生は認められていない。臨床症状は軽度であり、SVAにおいて血清学的に診断された。
腺疫
スウェーデン国内では風土病となっている。24施設の様々な品種の馬で菌分離により発生が確認された。9月15日以降は新たな発生は認められていない。
スイス
馬ウイルス性動脈炎
1頭が血清学的に陽性と診断された。
腺疫
7月初旬から9月中旬にかけて国内で8例が報告されている。
馬パラチフス
5例が報告されているが、詳細は不明。
馬ピロプラズマ病
東部において1頭(B. caballi,7〜8月)に臨床症状が認められた。また、6月中旬から9月中旬にかけてスイス全土で13頭(B.equi
syn. Theileria equi 8頭,B.caballi 3頭,B.caballi
and equi 2頭)が血清学的に陽性と診断された。
エールリヒア症(ポトマック熱)
6月中旬から7月中旬にかけて中部において1頭に臨床症状が認められ、2頭が血清学的に陽性と診断された。
Grass Sickness
Carton Vaudの同一牧場内の牧草地に放牧されていた4頭が安楽死となった(ドラフトホース2頭,温血種1頭,アメリカンクォーターホース1頭)。昨年の10月にも同じ牧場で同様の症状により2頭が安楽死となっている。
トルコ
報告未着。
アラブ首長国連邦
馬ピロプラズマ病
B.equi およびB.caballiは風土病となっている。
イギリス
EHV-1 神経型
今期はイングランド南東部のケント州の生産牧場で1例のEHV-1神経型が確認された。この馬はサラブレッド系セン馬で、発熱、後躯麻痺、失禁などの症状を呈し、発症から4日後の8月28日に安楽死となった。死体の組織の免疫染色によりEHV感染と診断された。この馬は、今年はじめのケント州でのEHV流行時に感染馬と接触した経歴はなかった。同居馬が血清学的およびウイルス学的に陰性と確認されるまで、この牧場は閉鎖された。さらなる発生は認められなかった。
また、この例以外に今期はEHV-1神経型と疑われる例が2例あった。
□ 7月にグロスターシャー州で、ポロ競技用のポニーが後躯麻痺などの典型的な症状を呈し、EHVに対する高い補体結合抗体価を示した。この牧場のすべての馬に対し移動制限がかけられ、血清学的およびウイルス学的検査が実施された。2頭の馬のヘパリン加血からEHV-1が分離された。この2頭は神経症状を呈した馬と接触していた。また、この牧場の大半の馬でEHVに対する抗体価の上昇が認められた。さらにその後1頭が軽度の神経症状を呈した。神経症状を呈した2頭はその後順調に回復した。
□ 8月29日にデボン州の牧場で、1頭の馬が運動失調により安楽死となった。剖検材料は提供されなかったが、安楽死前に採取された血清からはEHVに対する高い抗体価が検出された。このことから、確定ではないものの神経症状の原因としてEHV感染が強く疑われた。すべての同居馬が陰性と確認されるまで、この牧場は閉鎖された。この牧場からの移動馬がいる別の牧場も同様に閉鎖され、検査が実施された。
EHV-1 呼吸器型
8月にケント州の個人牧場の非サラブレッド種から採取された鼻咽頭スワブよりEHV-4が分離された。この馬は突然元気がなくなり、発熱した。
馬インフルエンザ
イングランド南部のサリー州の生産牧場で、1頭のシェトランドポニーが馬インフルエンザと診断された。この馬はワクチン未接種で、鼻咽頭スワブの核蛋白ELISAにより診断された。この牧場に繋養されている20頭中の5頭で感染が認められた。臨床症状として頻回の発咳と粘調性の高い鼻漏がみられたが、順調に回復した。ペア血清による馬インフルエンザA2型に対する抗体価の変動が調査された。
腺疫
英国では非サラブレッド種の間では風土病となっている。8月にシュロップシャー州の牧場のサラブレッド種で小規模な流行が認められた。移動制限がかけられ、HBLB
Cords of Practiceのガイドラインに基づく防疫対策が講じられた。
馬伝染性子宮炎
今期はCEMの発生は認められなかった。1997年以降、英国では清浄化が達成されていたが、2002年10月に海外から輸入された非サラブレッド種の種牡馬で発生が確認された。この種牡馬およびこの種牡馬と交配した牝馬(いわゆるハイリスク馬)は、直ちに“Infectious
Diseases of Horses Order 1987”に基づき監視下に置かれた。2002年10月にこの種牡馬と交配した牝馬の内の1頭が陽性と診断された。さらに2003年2月にも別の牝馬が陽性と診断された。2頭とも非サラブレッド種であった。繁殖シーズン中、英国政府は全ての馬生産者に対し、HBLB
Cords of Practiceのガイドラインを遵守し、本病の予防に注意を払うよう呼びかけている。
アメリカ合衆国
馬ヘルペスウイルス
8月から9月にかけオレゴン州の乗馬クラブとその周辺の牧場でEHV-1神経型の流行が認められた。オレゴン州立大学のVeterinary
Diagnostic Laboratoryにおいて診断され、ケンタッキー州レキシントンのMaxwell H. Gluck Equine
Research Centerでウイルス分離が実施された。感染した20頭の大部分で臨床症状が認められ、数頭は安楽死となった。
馬ポトマック熱
7月にケンタッキー州で散発的な発生が認められた。
ウエストナイルウイルス感染症
9月24日付でUSDA(米農務省)は、2168頭の馬が感染し、その内52%がコロラド州、モンタナ州、ニューメキシコ州、ワイオミング州の4州に集中していると報告した。また、10月1日付でCDC(疾病管理予防センター)は、5861人が感染し、その内46%が前述の4州に集中していると報告した。現在のところWNV感染症の発生が認められていない州は、アラスカ州、ハワイ州、オレゴン州、ネバダ州の4州のみとなった。米国における馬の発生頭数に関する情報は
http://www.aphis.usda.gov/vs/nahps/equine/wnv/map2003.html から入手できる。