(International Collating Center からの情報)
2004年1月16日
アルゼンチン
報告事項なし。
オーストラリア
クイーンズランド州北部でハエウジ病が発生し、ラセンウシバエ(本来オーストラリアには生息していない)の駆除が行われた。この馬の蹄にはヒツジキンバエの幼虫がたかっていた。
EHV-1 流産型
ヴィクトリア州で馬ヘルペスウイルス1型による流産が発生した。病理組織学的変化およびPCR法に基づき診断された。2003年ヴィクトリア州でのEHV-1による流産は1例のみであった。
ヘンドラウイルス
ヴィクトリア州で高齢馬が肺水腫により突然死したが、病理組織学的検索ではヘンドラウイルス感染は否定された。この症例は重症の急性好酸球性間質性肺炎と診断された。ヘンドラウイルスに特徴的なシンシチウム(合胞体)は認められなかった。馬での好酸球性肺炎は、肺線虫の寄生(今回はみられなかった)や雑草による中毒(Eupatorium
glandulosum(adenophorum)やE.riparium−クイーンズランド州に生息する植物)が原因で起こることが多い。多くは突発性である。
サルモネラ感染症
馬の糞便中からS.typhimuriumおよびS.senftenbergが散発的に検出されている。
腺疫
散発的な発生が報告されている。
カナダ
報告未着。
デンマーク
腺疫
一部の乗馬施設では風土病となっているが、サラブレッド種での発生は稀である。ペニシリンに対する感受性の低い馬でStreptococcus
equiが分離されている。
フランス
馬インフルエンザ
鼻咽頭スワブのELISAにより診断。
サラブレッド種:Oise(3施設), Pyr始仔s-Atlantiques(2頭)
非サラブレッド種:Vale-de Marne(トロッターホース), Is俊e(ポニー)
血清学的検査により診断。
サラブレッド種: Oise, Sarthe
非サラブレッド種:Charente-Maritime, Orne, Hauts-de-Seine(サドルホース)
Yvelines, Vienne (Haute-), Hauts-de-Seine(その他)
EHV-1 流産型
Oiseにおいてサラブレッド種およびサドルホースにEHV-1による流産が発生した。凍結切片の免疫染色により診断され、確定診断にはPCR法を用いた。
EHV-4 呼吸器型
血清学的検査により診断。
サラブレッド種:Bouches-du-Rh冢e(2施設), C冲es-dユArmor, Maine-et-Loire,
Oise (4頭), Orne, Sarthe
非サラブレッド種:
トロッターホース:Bouches-du-Rh冢e, Manche (2施設), Tarn-et-Garonne
サドルホース:Charente-Maritime, Eure-et-Loir, Indre-et-Loire, Loire-Atlantique,
Manche, Orne, Seine, Yvelines (3頭),
Essonne (2頭), Hauts-de-Seine (2頭) , Val-dユOise
その他:Eure-et-Loir, Nord, Yvelines, Essonne, Hauts-de-Seine
ミオグロビン尿症
12月28日から30日にかけ、Ile dユOl屍on (Charente-Maritime)の施設から来た3頭(ポニーの牝馬2頭,サドルホースのセン馬1頭)が死亡した。同一牧場に繋養されている5頭にミオグロビン尿症、運動失調、疝痛などの症状が認められた。原因については調査中である。
馬ピロプラズマ病
南フランスでは風土病となっている。
ドイツ
報告事項なし。
香港
報告事項なし。
アイルランド共和国
腺疫が22例、馬パラチフスが1例報告された。
イタリア
馬伝染性子宮炎
スクリーニング検査で非サラブレッド種の種牡馬がCEM陽性と診断された。臨床症状は認められていない。
馬ヘルペスウイルス
イタリア北部においてワクチン未接種の馬にEHV神経型の発生が報告された。
日本
EHV-1 流産型
11月27日に日高地区のワクチン接種済のサラブレッド種1頭がEHV-1による流産を発症した。
馬伝染性子宮炎
10月10日と11月6日に日高地区のサラブレッド種2頭がそれぞれPCR法によりCEMと診断された。
馬パラチフス
11月7日に八戸地区のサラブレッド種1頭が試験管凝集反応により馬パラチフスと診断された。
ニュージーランド
報告事項なし。
スペイン
報告事項なし。
スウェーデン
馬インフルエンザ
非サラブレッド種で2例が報告された。臨床症状は軽度であり、鼻咽頭スワブからのウイルス分離により診断された。
腺疫
スウェーデン国内では風土病となっており、12例が報告された。一部では重症例も報告されている。
スイス
馬ウイルス性動脈炎
3頭が血清学的に陽性と診断された。(1頭はフランス領内)
腺疫
中部のドイツ国境付近で9月末から10月中旬にかけて4例が報告されている。
クロストリジウム症
ゲンタマイシン投与後に下痢を発症した温血種の牝馬からClostridium perfringens(β2溶血性)が検出された。
馬ピロプラズマ病
11月に2頭(B.caballi 1例,B.equi syn. Theileria
equi 1例)に臨床症状が認められた。また、2頭(B.caballi 1例,B.equi syn.
Theileria equi 1例)が血清学的に陽性と診断された。全例が中部での発生であった。
トルコ
狂犬病
8月3日に非サラブレッド種1頭が、Erzurum Veterinary Control and Research
Instituteにおいてウイルス分離により狂犬病と診断された。
アラブ首長国連邦
馬ヘルペスウイルス(EHV-1)
シェトランドポニーの牧場で6頭がEHV-1による流産を発症した。ワクチン接種歴の詳細は不明だが、おそらく未接種だと思われる。
引退したサラブレッド種ポロ競技用馬1頭がEHV-1(神経型)を発症した。
馬ピロプラズマ病
B.equi およびB.caballiは風土病となっている。
イギリス
馬インフルエンザ
2003年10月にデボン州のワクチン未接種の非サラブレッド種に馬インフルエンザの発生が認められた。アニマル・ヘルス・トラスト(AHT)において血清学的に診断された。また、サマセット州のワクチン接種済の馬でも発生が認められ、ペア血清の抗体価の上昇により診断された。12月には4施設で発生が認められ、血清学的および/あるいは核タンパクELISAにより診断された。ヘレフォードシャー州およびウエールズ州のワクチン未接種の非サラブレッド種では、発熱、発咳、鼻漏などの典型的な症状がみられた。サフォーク調教場の1歳の育成馬が馬インフルエンザと診断された。これらの馬は、最近アイルランドからデボン州の牧場に輸入されたワクチン未接種のサラブレッド種であった。今回分離されたウイルスは、2003年の春の流行時に英国で始めて分離された南アメリカ型のウイルスと酷似していた。
EHV 呼吸器型
2003年9月以降、5例のEHV呼吸器型の発生がAHTによって確認された。全例がワクチン未接種であり、3施設では感染馬に接触した馬にまで広がった。
EHV 流産型
2003年11月にワクチン未接種の妊娠8ヶ月齢の繁殖牝馬がEHV-1による流産を発症した。AHTにおいて流産胎仔組織のPCRにより診断された。この馬と接触した繁殖牝馬での流産例は報告されていない。2003年10月にはワクチン接種済の妊娠5ヶ月齢の繁殖牝馬がEHVによる流産を発症した。EHV-1抗原に対する酵素免疫染色では、胎盤は陽性を示したが、流産胎仔は陰性であった。この馬と接触した繁殖牝馬での流産例は報告されていない。
EHV 神経型
2003年10月以降、3例のEHV神経型の発生が確認された。10月にグロスターシャー州の調教場からレースに来たワクチン未接種のサラブレッド種セン馬が、競馬場到着直後に神経症状を呈し、起立不能となったため安楽死となった。剖検は行わなかったが、血清学的検査ではEHV-1に対する高い抗体価が認められた。この馬が滞在していた調教場では他に発生はなく、この馬と接触した全ての馬の血清学的およびウイルス学的検査の結果が陰性であったことから、この調教場は再開された。12月初旬にハートフォードシャー州のポニーでEHV-1神経型が疑われる例があった。このポニーは典型的な症状を示し、最近ワクチンを接種していないにもかかわらず高い抗体価が認められた。12月末にはケント州の個人牧場のワクチン未接種馬が、起立不能となったため安楽死となった。剖検の結果、EHV-1と診断された。この馬と接触したワクチン未接種の馬でも、軽度の神経症状が認められ、抗体価の上昇が確認された。
馬ウイルス性動脈炎
2003年の繁殖シーズンにアイルランドに輸出されたサラブレッド種牝馬が、11月にウイルス中和試験によりEVA陽性と診断された。この馬は1月の輸出前の検査では陰性であった。7月の帰国前には検査は行われておらず、アイルランドでのEVA発生報告を受けて検査を実施したところ、陽性が判明した。11月のペア血清の検査結果では、抗体価はやや下降傾向にあった。この牝馬はアイルランド滞在中にEVA陽性の種牡馬とは交配していないことから、他の牝馬からの水平感染が疑われた。この牝馬と一緒に移動した他の3頭は陰性であったが、その仔馬の内2頭は陽性であった。帰国後にこれらの馬と接触した馬は全頭陰性であったことから、帰国時には既に他馬への感染力はなかったことが示唆された。血清学的に陽性でも、臨床症状を示した馬はいない。
腺疫
英国では非サラブレッド種の間では風土病となっている。ベルクシャー州のサラブレッド育成場およびニューマーケット近郊の生産牧場で発生が認められた。
アメリカ合衆国
ウエストナイルウイルス感染症
2003年米国では、ウエストナイルウイルス感染症が西部にまで拡大した。昨年末までに感染例が報告されていないのはアラスカ州、ハワイ州、ネバダ州、オレゴン州の4州のみである。11月24日付けでUSDA(米農務省)は、41州で4,426頭の馬が感染したと報告した(2002年は40州で14,358頭)。2003年は中西部のコロラド州、モンタナ州、ニューメキシコ州、ワイオミング州の4州で1,192頭(全体の34%)の感染例が報告された(Figure
1参照)
12月17日付でCDC(米疾病対策予防センター)は8,912人の感染例を報告した。これは2002年(4,156人)の倍以上である。今年の感染例のうち718例は輸血による感染と考えられる。感染例の66%および死亡例54%は、コロラド州、ネブラスカ州、サウスダコタ州、テキサス州の4州で報告された。この4州における馬の感染頭数は920頭であり、全体の21%であった。昨年に比較して、ヒトでは都市部より田園部での感染例が増加している。西部の農村地域には媒介蚊のCulex tarsalisが生息していることが要因のひとつと考えられる。
ヒトでは感染例が増加しているのに対し、馬では感染例が減少しているのは、ワクチン接種プログラムが広く浸透したことによると考えられる。
