(International Collating Center からの情報)
2005年5月17日
アルゼンチン
報告事項なし。
オーストラリア
ヘンドラウイルス
遅い報告となったが、昨年末、2施設の2頭についてヘンドラウィルス感染が確認され、ウイルス分離により確定診断が行われた。1頭は安楽死処置となり、Australia
Animal Health LaboratoryによるPCRおよび酵素免疫法のいずれの検査においても陽性反応が確認された。ここでの発生は1頭のみであり、同じ施設、または近隣の施設には感染馬は確認されていない。この施設の放牧場は近隣の自然保護区に生息するオオコウモリの飛来区域であった。Queensland保健局は症例に関わった人についても、詳細な調査報告を受けた。もう1頭の感染例は、病理解剖時には検体が得られず、感染の確認が出来なかったのだが、剖検実施者がその後、血清学的検査で陽性と診断されたことから、この馬についても感染が疑われたものである。なお、全ての接触馬については、感染が否定されている。これら2頭の発生場所はおよそ280km離れていることから、関連した発生とは考えられない。また、これらの発生が今後のオーストラリア産動物の輸送に与える影響はなく、オーストラリアにおけるヘンドラウイルスの分布と疫学が変わることもない。また、今回の発生例は、出産シーズンのオオコウモリとの頻繁な接触が原因であったことや、呼吸困難、高熱、口や鼻からの血液様泡沫液の漏出が主な臨床症状であったことなどから、以前の散発例の発生状況と類似していた。
カナダ
報告未着。
デンマーク
馬インフルエンザ
1月、1施設の約20頭について、H3N8型の馬インフルエンザ感染が確認された。確定診断はSwedish Veterinary
Laboratoryの血清診断により行われた。発生は限局的であり、臨床的には軽度の症状であった。また、ワクチンは規定どおり接種されていた。
フランス
馬インフルエンザ
セーヌエマルヌの非サラブレッド種(saddler種)の馬について、馬インフルエンザ感染が確認された。確定診断は鼻粘膜スワブのELISA検査により行われた。また、オアーズのサラブレッド種、メーヌエロアール、セーヌ、イブリーヌの非サラブレッド種、エソンヌのポニーについても、血清学的検査により感染が確認された。
馬ヘルペスウイルス
EHV-1の流産型
2つの異なる施設において、EHV-1流産型の感染が確認された。カルバドスではサラブレッド種の馬が、オルヌではトロッター種とサドラー種の馬が各1頭、凍結切片による免疫蛍光法により診断された。陽性例は細胞培養とPCRにより確定診断された。
EHVの呼吸器型
モーゼルではスペイン純血種の馬についてEHV呼吸器型の感染が確認された。確定診断は血清PCR検査によって行われた。また、Lore-Atlantique(2つの異なる施設)、オアーズ、サルト、イブリーヌの各地域ではサラブレッド種と非サラブレッド種(トロッター、ポニーなど)計19頭の馬についても感染が確認された。この確定診断は血清学的検査により行われた。
ピロプラズマ病
ピロプラズマ病は、南フランスで風土病として存在している。
ドイツ
報告事項なし。
香港
報告事項なし。
アイルランド共和国
腺疫
この四半期に23頭の感染が確認された。
ロタウイルス感染症
一般のきゅう舎1件で、子馬における感染が確認された。確定診断はラテックス凝集反応により行われた。
馬ヘルペスウイルス
EHV-4の流産型
2施設2例の散発的な発生が確認された。1頭はワクチン未接種であり、他の1頭はワクチン接種不明である。
EHV-1の流産型
4施設4例の散発的な発生が確認された。流産は7つの施設で起こっており、複数流産するケースが増加している。その大多数はワクチン未接種馬に起こっている。流産の総数は21頭であった(例年、この四半期の総数は18頭以下である)。現在までのところ、1施設における流産馬の最高頭数は4頭である。
イタリア
報告事項なし。
日本
馬ヘルペスウイルス
EHV-1の流産型
日高家畜保健衛生所により、9施設の15頭についての感染が確認された。このうち4頭はワクチン未接種であった。
EHV-1の呼吸器型
広島県福山家畜保健衛生所により、1施設の3頭についての感染が確認された。全ての馬がワクチン未接種であった。
馬パラチフス
北海道釧路家畜保健衛生所により、3施設の5頭についての感染が確認された。
破傷風
1月26日に1頭の感染が確認された。この馬はワクチン未接種であった。
ニュージーランド
報告事項なし。
南アフリカ
馬ピロプラズマ病
臨床的に軽度な症状であったが、広範囲な発生が報告されている。確定診断は病原体の分離によって行われた。通常、この感染症は夏季に発生することが多いが、本四半期においても確認された。
腺疫
3施設200頭の繁殖馬の発生が報告された。臨床症状は比較的軽度であったが、感染は3週間持続した。ある馬診療所において、1頭の馬の膿瘍からS.equiが分離され、さらに喉のうにも感染が及んでいたことが判明した。現在、同じ病院内の他の馬についての検査結果を待っているところである。
馬ヘルペスウイルス
EHV-1の神経型
7ヶ月齢のアラブ種の子馬1頭についてEHV-1神経型感染の疑いがあり、現在、検査結果を待っているところである。この子馬がこれまでにEHV感染を受けたかどうかは不明である。
スペイン
報告事項なし。
スウェーデン
腺疫
22の異なる施設で多数のサラブレッド種および非サラブレッド種の競技馬や繁殖馬についての発生が確認されている。発生は限局的であり、臨床的には比較的軽度であった。確定診断は菌分離により行われた。スウェーデンにはワクチンがないため、腺疫は風土病となっている。
スイス
ボルナ病
2月に2つの非サラブレッドのきゅう舎で限局的な発生が確認された。
ボツリヌス中毒
1月に、1つのきゅう舎で2頭(1頭はサラブレッド種、1頭は非サラブレッド種)の感染が確認された。いずれもワクチン未接種であり、1頭は死亡、1頭は生存している。サイレージに混入していた野ウサギの死体が感染源として疑われている。
腺疫
2月に、2施設の非サラブレッド種の馬(ワクチン未接種)における感染が確認された。発生は約1年ぶりであった。
トルコ
レプトスピラ病
2月に1頭の非サラブレッド種の馬について、Leptospira bratislava流産型の感染が報告された。確定診断はEtlik
Central Veterinary Control and Research Instituteによる血清学的診断により行われた。
アラブ首長国連邦
馬ピロプラズマ病
本四半期はB.equi およびB.caballiが散発的に発生した。
イギリス
馬伝染性子宮炎
Department for Environment Food and Rural Affairs(Defra)の3月30日付けの発表によると、6ヶ月前にドイツから入国した温血種の種牡馬が伝染性子宮炎(Taylorella
equigenitalis)に感染していたことが判明した。本菌はストレプトマイシン耐性であり、イギリスにおけるこの感染症の発生は異例のことである。
この種牡馬はサマセットのFrome地区におり、イギリスに入国して以来、繁殖目的には供されておらず、症状も示していなかった。3月17日、Horserace
Betting Levy Board(HBLB)の実施規約に基づいてスワブ検査を受け、そのスワブがHBLBに認可を受けた民間研究所に提出された。さらにこの研究所は、確定診断のために疑わしいサンプルをVeterinary
Laboratories Agencyに送付した。
現在、Defraは、感染した危険性のある馬を特定するために、追跡調査を実施しているところである。この施設には、他に14頭の馬が在きゅうしており、感染馬が唯一の種牡馬であったことが最初の追跡調査で判明した。感染馬はこれまで繁殖目的には供されていないことから、外部に拡がった危険性は低いものと考えられる。この感染種牡馬と他の接触した可能性がある馬についてのスクリーニングテストがHBLBの実施規約に基づいて始まった。これらについては全て、EU、OIE、3ヶ国協定国に報告されている。
馬ヘルペスウイルス
EHV-1の流産型
レスターシャー州の1つのきゅう舎において4頭(全てワクチン接種済)の発生が確認された。それら牝馬についての移動は自粛されている。ウォリックシャー州、ノースヨークシャー州、そして再度レスターシャー州では、各州1頭の発生が確認されている。シュロップシャー州では、2頭の発生が確認されたが、発生場所は離れていた。それら全ての感染馬はワクチン未接種であった。ウエストヨークシャー州では、1頭の非定型EHV-1流産型の感染が確認された。この馬は温血種であり、8ヶ月齢で流産したものであった。この胎仔はEHV-1流産型に認められる特徴的な組織所見を欠いており、免疫染色法においても陰性所見が確認されたが、胎盤においては明らかな陽性所見が確認された。
EHV-4の神経型
ドーセット州の4歳牝馬(ワクチン未接種)に、非常にまれな疑似EHV-4神経型感染の診断がなされた。確定診断は血中抗体価の上昇と鼻咽頭粘膜スワブからのウイルス分離により行われた。この症例は1998年のVeterinary
Recordに報告されている疑似EHV-4麻痺症に類似していた。
EHV-4の呼吸器型
1月初旬、鼻漏、発咳、発熱が主症状であったサラブレッド種牝馬(ワクチン未接種)について、感染が確認された。確定診断は血清学的検査によって行われた。
馬インフルエンザ
3月、6歳のトロッター牝馬(ワクチン接種済)について、感染が確認された。主な臨床症状は沈うつ、発熱、頻発性の空咳、粘液膿性の鼻漏であった。確定診断は鼻咽頭粘膜スワブのELISA検査により行われた。卵培養によるウイルス分離と二次的な性状解析を継続中である。これまでの検査によると、接触した可能性がある馬の感染は否定されている。
馬ウイルス性動脈炎
この3月に、数年間イギリスで飼養されてきた輸入スペイン産種牡馬が中和反応試験によりEVA陽性例と診断された。これまでも血液検査を受けてきたものと考えられるが、その記録は残っていない。この発生報告を受けた獣医師により、適切な規制措置がとられた。
アメリカ合衆国
馬ヘルペスウイルス
EHV-1の流産型
本四半期においては、サラブレッド種を含む11頭の感染が確認された。確定診断はレキシントンの家畜疾病診断センターにおいて行われた。2つの牧場においては発生頭数は2頭であったが、他は1頭のみであった。なお、2004年の第4四半期においては3件の発生が確認されていた。
EHV-1の神経型
ミシガン州とペンシルバニア州の2つのスタンダードブレッドの競馬場およびニューヨークの輸送用施設において、EHV-1による神経麻痺の発生が確認された。ミシガン州のノースビルダウンズ競馬場では、2004年12月から2005年2月にかけて、4頭の致命的な症例が確認されたことから、2月初旬の開催が中止となった。ペンシルバニア州ピッツバーグ近郊のメドウ競馬場では、2月15日にスタンダードブレッド牝馬が安楽死処置を受けた。両競馬場では馬の移動制限に加え、その他様々な防疫措置が実施された。それ以降の発症報告はない。また、3月末にニューヨーク州の輸送用施設において、3頭の馬がEHV-1の神経麻痺を発症し、安楽死処置を受けた。
腺疫
腺疫の発生はフロリダ州、ケンタッキー州のサラブレッド調教施設とカリフォルニア州ロサンゼルス郡の輸送用施設において起こった。3月初旬、チャーチルダウンズ競馬場の側にあるルイビル調教センターの2きゅう舎において感染が確認され、これら2つのきゅう舎の在籍馬に加えて、そのきゅう舎からの移動馬については全馬検疫監視下におかれた。なお、細菌学的スクリーニング検査により感染が否定された馬については、解放が許可された。3月に南フロリダのパームメドウで感染が確認された馬もルイビルで腺疫感染が確認された馬の管理調教師のきゅう舎所属馬であった。フロリダ州、ケンタッキー州、ニューヨーク州の東海岸の競馬場は感染拡大を防ぐために、2つの発生調教施設からの馬の移動について、さらなる獣医学的措置をとった。また、カリフォルニア州の60頭の馬が在籍するきゅう舎においては、数ヶ月にわたり発生が続いている。