(International Collating Center からの情報)
2005年11月11日
オーストラリア
馬ヘルペスウイルス
EHV-1の流産型
数頭の発生が確認された。
馬伝染性貧血
クイーンズランド南西部のサーゴミンダ近郊の施設の在きゅう馬1頭が血清学的検査で陽性と診断された。これは定期健康診断によって判明したものであったが、他の同居馬(6頭)は全て陰性であった。なお、この地区においては以前にも発生が確認されている。
カナダ
報告未着。
デンマーク
報告事項なし。
フランス
馬インフルエンザ
オアーズ、イブリーヌの2きゅう舎におけるサラブレッド種の感染が報告された。確定診断は血清学的検査によって行われた。また、ノール、オアーズの2つのきゅう舎においてサドラー種に、また、オアーヌ、エソンヌ、オードセーヌの非サラブレッド種に発生が確認されている。
馬ヘルペスウイルス
EHVの呼吸器型
以下の発生(品種ならびに県)が確認された。確定診断は血清学的検査によって行われた。
サラブレッド種
メーヌエロワール(2きゅう舎)、オアーズ(9頭)、サルト(2頭)、イブリーヌ(4頭)。
トロッター種
ドルドーニュ、メーヌエロワール(3頭)、パドカレー、オートヴィエンヌ、ヴァルドマルヌ。
サドラー種
カルヴァドス、ドルドーニュ、ウールエロワール(3頭)、ジロンド、メーヌエロワール(2頭)、ノール(3頭)、パドカレー、イブリーヌ(2頭)、ソンム、エソンヌ(8頭)、オードセーヌ(2頭)。
その他の品種
オアーズ、オルヌ、セーヌ、イブリーヌ(2頭)、エソンヌ(2頭)。
馬伝染性貧血
4月1日、フランス中央部のウールエロアール県Barjouville地区の乗馬センターにおいて発生が報告された。在きゅう馬22頭のうち、サドラー種の10歳の牝馬1頭がコギンズテストにより陽性と診断された(第2四半期報告に掲載)。また、追加調査で、16歳のフランストロッター種のせん馬とアラブ種の牡馬2頭の陽性が確認された。いずれの感染馬も安楽死処置がとられた。疫学調査はLuisantとLevesとBouglainvalにある他の4つの乗馬センターにおいても実施されたが、陽性例は確認されなかった。
なお、3頭目の感染馬に対して安楽死処置がとられた後、6月20日に最初のスクリーニングテストが実施された結果、他の馬については陰性であった。この血清学的検査は撲滅計画の第一段階としてその結果が注目されていた。
9月末に血清学的調査が行われ、10月3日、新たに4頭についての感染が確認された。その中には、Barjouville地区の乗馬センターに預託歴をもつ10歳のアングロアラブ種1頭も含まれていた。その結果を受け、この乗馬センターの隔離期間がさらに延長された。また、きゅう舎消毒と害虫駆除作業も再開され、感染が疑われた隔離馬についての血清学的検査による追加調査が最低でも4ヶ月に亘り行われることとなった。
ピロプラズマ病
南フランスで風土病として存在している。
ドイツ
腺疫
散発的な発生が確認されている。
香港
報告事項なし。
アイルランド共和国
腺疫
35頭(レンスター地方26頭、マンスター地方5頭、アルスター地方3頭、他1頭)の発生が確認された。
サルモネラ感染症
2頭の発生が確認された。
馬ヘルペスウイルス
EHV-1の神経型
種馬場と競走馬用きゅう舎の併合施設における発生が確認された。発症馬2頭のうち1頭は致死的な症状を示していた。また、さらに1頭の馬が致死的な症状に陥ったが、確定診断はなされなかった。この馬は他の同居馬とは隔離されていた。
イタリア
報告事項なし。
日本
報告事項なし。
ニュージーランド
報告事項なし。
ノルウェイ
報告未着。
シンガポール
報告未着。
南アフリカ
馬ピロプラズマ病
東ケープ州において、Theileria equi感染例2頭(2施設、サラブレッド種競技馬)が確認された。発生は限局的であった。軽度ではあるが典型的な臨床症状が観察された。確定診断は血清学的診断と血液塗抹標本の鏡検により開業獣医師によって行われた。
馬ヘルペスウイルス
EHV-1の神経型
8月、2施設25頭の発生が確認された。確定診断はPretoria大学獣医熱帯病学科における血清学的検査により行われた。発生は限局的で、症状も軽度であった。
また、クワズール・ナタール州においても発生が確認された。この発生では、競技馬5頭が神経症状を示し、このうち2頭が起立不能に陥り予後不良と診断され、安楽死処置がとられた。
腺疫
多数報告されており、現在も引き続き発生している。確定診断は菌分離により行われた。症状は軽度であり、サラブレッド、非サラブレッド種合わせて少なくとも7施設140頭の馬の感染が確認されている。発生施設の中には、西ケープ州のサラブレッド種馬場2施設、トレーニングセンター1施設(7頭感染)、南アフリカ警察庁(パトロール用馬9頭感染)も含まれている。なお予防接種が実施されていた2施設では、発生が抑制されたという報告がある。
スペイン
報告未着。
スウェーデン
馬インフルエンザ
3施設における限局的な発生が確認されており、症状はいずれも軽度であった。この発生以外にはインフルエンザについての大きな問題は生じていない。
腺疫
43施設のサラブレッド種、非サラブレッド種、競技馬、繁殖用馬などに相次いで発生したが、いずれも限局的かつ軽症であった。確定診断は菌分離と臨床症状により行われた。
スイス
Anaplasma phagocytophila(旧エレキア症)
7月、3施設の非サラブレッド種の競技馬において限局的な発生が確認されており、その症状はいずれも軽度であった。確定診断は間接蛍光抗体法によって行われた。
馬ヘルペスウイルス
EHV-1の神経型
6月、2頭の温血種乗馬が発熱(40.6℃と40.7℃)、食欲減退、わずかな運動失調などの症状を呈し、それぞれ3病日後、5病日後に起立不能となり、1頭はそのまま死亡、他の1頭は安楽死処置がとられた。同じ施設には2頭の馬車馬が同居しており、そのうち1頭については血清抗体の上昇が確認されたが、いずれも臨床症状は確認されていない。確定診断は2頭の剖検所見と生存馬の血清学的検査により行われた。
グラスシックネス
7月、2施設2頭の非サラブレッド種について限局的かつ重度の発生が確認された。20歳の馬車用の牝馬が疝痛、腸弛緩症を示し、3日後に安楽死処置がとられた。剖検により、亜急性の神経節ニューロンの変性と壊死が確認され、肉眼的および病理組織学的所見により確定診断がなされた。また、10歳の馬車用の種牡馬は抑うつ状態、胃液逆流、便秘、腸管麻痺などの症状を呈し、3病日後に安楽死処置がとられた。病理所見により神経細胞のニッスル虎斑の融解および自律神経節と筋層間神経叢の減少と関連する麻痺性腸閉塞が確認されたが、いずれの病巣も数年前に発症したものであると診断された。
馬ピロプラズマ病
7月と8月に6施設6頭の非サラブレッド種の限局的かつ軽度な発生が確認された。臨床症状が見られた4頭のうち、1頭はBabesia
caballi、2頭は Theileria equi、他の1頭はBabesia caballiとTheileria
equiによる感染であった。また、血清抗体学的陽性の2頭については、Babesia caballiとTheileria
equiによる感染と、Theileria equiによる感染であった。
腺疫
1施設における不特定多数の非サラブレッド種についての発生が報告された。発生は限局的であり、確定診断は菌分離により行われた。
トルコ
狂犬病
7月28日に発生、Elazig Veterinary & Control Instituteにおける血清学的検査により診断された。確定診断は血液像と生化学的検査によって行われた。1施設1頭の非サラブレッド種における限局的な発生であり、流産が起こった8月10日には終息した。現在、この撲滅計画が引き続き実施されている。
アラブ首長国連邦
馬ピロプラズマ病
本疾病は風土病であり、本四半期はTheileria equiおよびBabesia caballi感染症が散発的に発生した。
イギリス
馬ヘルペスウイルス
EHV-1の呼吸器型
ランカシャー州で調教されていた2歳のサラブレッド種1頭が間欠的な発熱、呼吸器症状、プアパフォーマンスなどを呈した。7月に採材されたペア血清において抗体上昇が確認された。同じきゅう舎にいた他の16頭については、臨床症状は確認されていない。これらはワクチン未接種であった。
8月にはレスターシャー州の施設において小規模かつ軽度の発生が確認された。5頭のうち2頭について感染が確認されたものであり、10歳の温血種せん馬については、補体結合試験により確定診断が行われた。
ウエストヨークシャー州の品種不明の1歳馬が鼻漏、咳漱、リンパ節腫脹を示し、2点血清によりEHV1型と4型に感染していたことが確認された。
EHV-3(馬媾疹)
本四半期は2件の発生が確認された。コーンウォール州の発生は1頭の種牡馬と交配した牝馬の感染であり、これら2頭の患畜には特徴的な水疱性病巣と高い中和抗体価が確認された。他方はダラム州の発生で、コブ種(小型・短躯種)の種牡馬と交配した2頭の牝馬が感染している。種牡馬と1頭の牝馬は臨床症状は確認されておらず、他の1頭の牝馬は検査の際に陳旧性病巣が確認されたのみである。2頭は高い中和抗体を保有し、残る1頭はペア血清によって抗体上昇が確認された。これら繁殖馬について種付けの自粛措置がとられており、この発生は終息した。
馬ライノウイルス
グロスターシャー州の6歳のハンター種せん馬がライノウイルス2型の高い抗体価を示した。同馬は7頭の馬と同居していた。臨床症状は鼻漏と咳漱であった。ペア血清は採材されなかったが、他にウイルス感染を証明する証拠はなかった。ヘパリン加血清によるウイルス分離は陰性であった。感染馬は計4頭であった。
馬インフルエンザ
ウェールズの預託用きゅう舎において発生が確認されている。14頭(全てワクチン未接種)のうち8頭が感染した。臨床症状は発熱、咳漱、抑うつ、粘液膿性鼻漏である。発生の終息時に2頭の感染馬の鼻咽頭スワブが検査に供され、最も感染が長引いた8歳種牡馬はELISAによりインフルエンザ陽性が確認された。ウイルス分離も行われており、現在、ウイルスを同定中である。
アメリカ合衆国
馬インフルエンザ
馬インフルエンザウイルスの犬への感染が合衆国内で問題となっている。Crawfordらによる論文「Transmission
of Equine Influenza virus to Dogs」(馬インフルエンザウイルスの犬への伝播)がScience誌(2005年9月29日号)に掲載されている。
水胞性口炎
4月のテキサス州における発生を皮切りに、アリゾナ州、コロラド州、ニューメキシコ州、ユタ州における発生が相次いで確認された。その後、8月にはモンタナ州とワイオミング州で、9月末にはアイダホ州の1施設において発生が確認されている。これまでの全陽性施設は8州で370戸であった(Fig.1 参照)。テキサス州、アリゾナ州、ニューメキシコ州、ユタ州においては新しい発生がなく、200施設においてはすでに隔離措置が解除されている。なお、馬と牛の感染頭数は各々502頭と140頭である。発生についての最新情報はUSDAのHPに掲載されている。
http:/www.aphis.usda.gov/vs/ceah/ncahs/nsu/surveillance/vsv/vsv_maps.htm
また、カナダ政府は感染が確認されている全ての州に対して、水胞性口炎に感受性が高い動物種に対する輸入禁止措置をとっている。

ウエストナイルウイルス
USDAは9月末までに合衆国内の805頭の馬のウエストナイルウイルス感染症の発生を報告した。なお、2004年同時期は863頭であった。発生頭数が特に多かった州はカリフォルニア州、アイダホ州、ユタ州、ネバダ州であった(Fig.2参照)。東海岸側には発生が報告されていない州が多くみられた。発生についての最新情報はUSDAのHPに掲載されている。
http://www.aphis.usda.gov/vs/ceah/ncahs/nsu/surveillance/wnv/wnv.htm
また、疾病対策予防センター(Centers for Disease Control and Prevention)におけるヒトの発生報告によると、9月末までに合衆国内において死者52名を含む1804名が感染したことが報告されている(2004年同時期は死者56名を含む1784名が感染)。最も多い感染者数が確認されたのはカリフォルニア州であり、死者15名を含む681名が感染している。
