(International Collating Center からの情報)
2008年7月1日
アルゼンチン
報告事項なし。
オーストラリア
主席獣医官からの報告:この3ヶ月間、オーストラリアでは馬インフルエンザ(EI)の発生はない
オーストラリアにおけるEIの発生は、ニューサウスウェールズ州で12月9日、クイーンズランド州で12月25日に認められた事例が最後であった。それ以降、オーストラリア政府はEIが存在しないことと新たな感染例がないことを証明するために大規模な監視を実施している。
2007年8月末の発生以降、オーストラリアはEIに対する厳重な管理を行うとともにその根絶プログラムを着実に実行してきた。初期の馬の輸出入停止に始まり、国内の移動制限、追跡調査、厳格なバイオセキュリティー、および緩衝地帯や汚染地域における戦略的なワクチン接種などが実施された。広範囲にわたる監視が、汚染地域および非汚染地域の両地域で行われた。
EIに対する管理区域はニューサウスウェールズ州およびクイーンズランド州の一部のみであった。オーストラリアのその他の州および地域の全て(ヴィクトリア州、タスマニア州、オーストラリア南部、オーストラリア西部、オーストラリア北部および首都地域)では、依然としてEIの発生は認められていない。監視プログラムとしては疫学調査、臨床検査、実験室での検査が含まれている。
馬の移動履歴を容易に追跡できる規則を制定するとともに、2008年3月14日以降、オーストラリア全土で馬の移動制限が解除されている。馬の移動制限の解除により、EIの汚染地帯にいた数千頭の馬が、これまで全くEIの発生がなかった地域に移動している。このことは、全国的規模で実施している馬インフルエンザ見張り番動物プログラムの施行と密接につながっている。これから2008年6月30日まで新たなEI感染が見つからない場合、オーストラリアにはもはやEIウイルスが存在しないことが確認されることになるであろう。しかし、OIEが定める清浄国の要件をみたすためのEIの監視と我々がこれまで実施してきた外来感染症の監視の一貫として実施してきたEIに対する監視は継続していくことになるであろう。
EI対策における成功は、動物衛生上の意義深い業績である。それは、海外からの動物感染症の侵入に際して、病原体の同定、診断および管理に関してオーストラリアがしっかりとした力量を備えていることを証明するとともに、我々の危機管理システムが成熟した効果的なものであったことも証明している。
また、EI対策における成功は、政策に対する責任を共有している政府および産業間におけるオーストラリア独特の協力体制が上手くいったことを示している。
オーストラリアにおけるEIの発生情報は下記で見ることができる。
http://www.outbreak.gov.au/pests_diseases/pests_diseases_animals/equine_influenza/docs/ei_summary_freedom.doc
カナダ
報告事項なし。
デンマーク
報告事項なし。
フランス
馬ヘルペスウイルス
EHV-1の呼吸器型
2月8日に報告された1症例は、F Ducombe研究所において血清学的に診断された(抗体価の上昇が2倍以上)。感染した牝馬のワクチン接種歴は不明であり、鼻漏と発熱が主症状であった。
EHV-1の神経型
2007年12月末に1施設において非サラブレッド種の種牡馬1頭で感染が認められた。F Ducombe研究所において神経組織材料を用いたPCR検査と血清学的検査によって診断された。その数週間後、2頭の牝馬が流産し、運動失調と不全麻痺を伴った神経症状を発症したが、それらについての検査は行われなかった。
腺疫
異なる4施設で腺疫の発生があり、それぞれ1頭ずつの非サラブレッド種の繁殖馬で感染が確認された。F Ducombe研究所において、鼻腔スワブの細菌分離およびPCR検査によって診断された。罹患馬では、発熱、咳、鼻漏、衰弱や貧血、黄疸、結膜炎および食欲不振などの臨床症状が認められた。
馬伝染性子宮炎(CEM)
非サラブレッド種1頭のCEM感染が確認された。診断は細菌分離によってなされたもので、それはLVD25研究所に委託され実施された。
ピロプラズマ病
ピロプラズマ病は、フランスでは風土病として存在している。
ドイツ
馬伝染性貧血(EIA)
2008年1月8日の当局の報告によると、Alt嗾ting行政地区(Bavaria州、ドイツ南部)で飼養されている1施設1頭でEIAの感染が確認された。罹患馬は激しい症状で苦しんだため、2007年12月20日に安楽死処分された。12月28日に、GreifswaldにあるFriedrich-Loeffler
研究所(ドイツの伝貧のリファレンスラボラトリーズ)において当該馬の血清を用いたコギンズテスト(伝貧のゲル沈反応)が実施され、当該馬はEIA陽性であることが確認された。
2008年2月4日の当局の報告によると、Ansbach行政地区(Bavaria州、ドイツ南部)で飼養されている1施設1頭でEIAの感染が確認された。罹患馬は、1月31日に安楽死処分となった。
これらEIA感染馬が飼養されていた2施設では直ちに隔離措置が講じられ、同施設で飼養されていた馬およびそれらの馬に接触した馬を対象として、血清診断と疫学調査が強制的に直ちに実施された。現在のところ、試験の結果はすべてEIA陰性であり、最終の検査結果を待っている段階である。
香港
報告事項なし。
アイルランド共和国
腺疫
アイルランド全土において、19ヶ所で20頭の症例が報告された。
サルモネラ感染症
1症例が確認された。
馬ウイルス性動脈炎
馬ウイルス性動脈炎の抗体検査は8,750検体について実施された。その結果、すべての検査馬は抗体陰性あるいは抗体価の動きがないかあるいは抗体価の低下を示した。現時点において馬ウイルス性動脈炎が国内に蔓延している証拠は認められなかった。
馬ヘルペスウイルス
EHV-1の流産型
EHV-1による流産は、5施設9症例で確認された。
EHV-4の流産型
EHV-4による流産は、1施設1症例で確認された。
馬伝染性貧血
この四半期の間に合計で8,050検体についてEIA検査が行われ、すべて陰性が確認された。
イタリア
報告事項なし。
日本
馬ヘルペスウイルス
EHV-1による流産
2008年1月12日から限局的な発生が報告されており、14施設18頭のサラブレッド種繁殖牝馬が流産を起こした。診断は北海道日高家畜保健衛生所においてウイルス分離によって実施された。18頭中15頭はワクチン接種馬であった。
馬インフルエンザ
2007年8月15日に最初の発生があった馬インフルエンザは、その後全国的には沈静化しているが、依然として競走馬と乗用馬に散発的な発生が確認されている。
前回の報告(1月7日)以降、国内ではあらたに203頭の感染が確認されており(合計で33都道府県2,245頭)、いずれも鼻粘膜スワブを用いたA型インフルエンザウイルス検出キット、あるいは家畜保健衛生所やJRA競走馬総合研究所栃木支所におけるRT-PCR検査によって診断された。
2008年のJRAにおける発生状況は以下のとおりである。
1月に栗東トレーニング・センター(滋賀県)において11頭の競走馬で発生が確認されたが、2週間以内に沈静化した。2月に、美浦トレーニング・センター(茨城県)で57頭の競走馬が感染したが、現在は沈静化しており、3月11日以降新たな発生は確認されていない。2月には東京競馬場において、また3月には中京競馬場(愛知県)においてそれぞれ数頭の乗用馬で発生が確認された。これら4施設の感染馬からウイルスが分離された。これら分離株のHA1遺伝子の塩基配列の解析によれば、分離株の抗原性は昨年8月に分離されたIbaraki/1/07のそれと顕著な違いはなかった。
また、JRA以外の競馬場においても、1月に4頭の競走馬で感染が確認されたが、その後は発生していない。
我々は、引き続き本病に対して適切な防疫措置とサーベイランスが継続されており、馬インフルエンザの清浄化に向けた最大限の努力が続けられている。
サルモネラ症
1月20日に2施設5頭のサラブレッド種の繁殖馬で感染が確認された。罹患馬のワクチン歴は不明であった。診断は日高地区農業共済組合において細菌分離によって実施された。
ニュージーランド
報告事項なし。
シンガポール
報告事項なし。
南アフリカ
アフリカ馬疫(AHS)
2007年の第4四半期において臨床的に軽度な流行が報告され、2008年まで流行が継続した。その流行では、様々な施設で飼育されている多数の非サラブレッド種の繁殖馬が感染した。ARC-OVI
および DVTD獣医科学部における血清学的検査、ウイルス分離および臨床検査によってそれらの罹患馬はAHSと診断された。罹患馬の多くは、若齢のワクチン未接種の馬であったが、ワクチン接種馬においても感染が認められた。また、南アフリカの北部および東部では、AHSが毎年発生しており、風土病となっている。南アフリカの農業省より提供のあったAHS発生状況は記載された図に示されている。

図)2007年10月から2008年3月におけるアフリカ馬疫の発生
馬脳症ウイルス(EEV)
馬脳症ウイルス(EEV)の血清型4および7は南アフリカで風土病となっており、毎年、主に夏期に発生がみられる。最近では、サラブレッド種および非サラブレッド種の演技馬ならびに繁殖馬を含めた約1,000頭が感染した。DVTD獣医科学部がウイルス分離および免疫ペルオキシダーゼ染色によって診断した。
馬ピロプラズマ病
タイレリアエクイおよびバベシアカバリによる馬ピロプラズマ病は南アフリカでは風土病となっており、臨床例は春季、夏季および秋季に報告されている。サラブレッド種および非サラブレッド種で発生が認められている。血清学的検査および血液塗抹標本の鏡検による診断が個人開業獣医師によって実施されている。
腺疫
腺疫は南アフリカで風土病となっており、サラブレッド種および非サラブレッド種の両方で感染が確認されている。菌分離による診断が、様々な研究所で行われている。
スペイン
報告未着。
スウェーデン
馬インフルエンザ(EI)
1月にスウェーデン北部にある約60施設において発生が認められた。2月には1厩舎だけの発生が報告され、3月にはEIの発生の報告はなかった。感染馬の大半がトロッター種であり、それらのほとんどは適切なワクチン接種を受けていなかった。
腺疫
依然、スウェーデンでは風土病であり、スウェーデン全土の約30施設で発生が認められた。感染馬の大半は、サラブレッド種および中半血種であった。
スイス
馬インフルエンザ
1施設において少頭数の非サラブレッド種の馬(おおよそ4〜5頭)が馬インフルエンザ2型(H3N8)による限定的で軽い感染を受けた。感染馬は、FEIの規定に則った方法でワクチン接種を受けていた。診断はBerneにある獣医部のウイルスユニットにおいて、ウイルス分離および臨床観察によって行われた。2007年第4四半期の報告にもあったが、今回分離されたウイルス株は、抗原性およびHA1の塩基配列の両方において、ヨーロッパ系統のH3N8に属しているようであるが、それらについてはさらに確認試験が続けられている。
腺疫
1月から3月の間に、4施設の複数頭で感染が確認された。診断は、細菌分離および臨床観察において行われた。ワクチン接種歴に関しては、不明である。
トルコ
報告事項なし。
アラブ首長国連邦
馬ピロプラズマ病(B.caballi and Th.equi)
アラブ首長国連邦では、バベシアカバリおよびタイレリアエクイは風土病となっており、定期的に症例が報告されている。非サラブレッド種で発生が認められ、その診断はドバイにあるCentral
Ventral Research Laboratoryにおいて、血清学的検査および原虫の分離によってなされた。
イギリス
馬ヘルペスウイルス
EHVの呼吸器型
発熱および呼吸器症状を呈した1頭のポニーの鼻腔スワブからEHV4型が分離された。同馬と接触のあった複数の馬が軽い呼吸器症状を認めたが、それらの馬からウイルスは分離されなかった。また、発熱および神経症状を呈した1頭の馬からEHV4型が分離された。同施設のその他の馬の感染は認めなかった。
EHVの流産型
2008年第1四半期に、EHV感染による流産が4頭確認された。2頭はサラブレッド種であったが、残りの2頭の品種は不明であった。これら4頭のワクチン接種歴は不明である。3頭の流産胎児組織から馬ヘルペスウイルス1型がPCR検査によって同定され、そのうち2頭からウイルスも分離された。残り1頭の胎盤組織からは、馬ヘルペスウイルス4型がPCR検査によって同定されたが、ウイルスは分離されなかった。
アメリカ合衆国
馬ヘルペスウイルス(EHV-1)
ケンタッキー大学の家畜病診断センターによって、ケンタッキー州中央部における10頭のサラブレッド種牝馬の流産が、馬ヘルペスウイルス1型によるものと診断された。1月にデラウェア州において、馬ヘルペスウイルス1型の神経麻痺型が、安楽死された1頭の馬で確認された。
レプトスピラ
ケンタッキー州中央部で飼われていたサラブレッド種牝馬において4例のレプトスピラによる流産が、ケンタッキー大学の家畜病診断センターで診断された。
腺疫
2月にオハイオ州クリーブランドの近くにあるノースフィールドパークで、スタンダードブレッド種の馬の流行が確認された。