(International Collating Center からの情報)
2009年8月20日配信
アルゼンチン
報告事項なし。
オーストラリア
報告未着。
カナダ
報告事項なし。
チリ
報告事項なし。
デンマーク
報告事項なし。
フランス(フランスの馬疾病の疫学監視ネットワークであるRESPEからの報告)
腺疫(Streptococcus equi)
6施設(ロアールアトランティク県、モーゼル県、カルヴァドス県、ドゥ・セーブル県、セーヌ・エ・マルヌ県、エソンヌ県)で7頭の非競走馬の感染が確認された。感染馬には、発熱、発咳、食欲不振、鼻漏およびリンパ節の腫大などの臨床症状が認められ、うち1頭には嚥下障害が、2頭には膿瘍形成が認められた。診断はPCR検査によってなされた。
馬伝染性子宮炎(Taylorella equigenitalis)
医学研究所における細菌分離によって、マイエンヌ県で1頭の非競走馬の感染が確認された。
馬ピロプラズマ病(Babesia caballi and Theileria equi)
ピロプラズマ病は、フランスでは風土病として存在している。
馬ヘルペスウイルス1型(EHV-1)による流産
エン県の非競走馬の繁殖牧場で、EHVによる1件の流産の発生が報告された。この牧場において、その他の発生は確認されなかった。
馬インフルエンザ
8つの施設のスタンダードブレッド種(3施設)、サラブレッド種(1施設)および非サラブレッド種(4施設)で発生が確認された。すべての施設は、最初に発生が確認されたバルドマルヌ県の施設(前回報告済)と疫学的に関連があった。感染馬は、発咳、発熱および鼻漏などの臨床症状を呈し、うち1頭には結膜炎が認められた。カルバドス県、オルヌ県、イル・エ・ヴィレーヌ県およびタルヌ・エ・ガロンヌ県でも発生が確認された。罹患馬の大部分は、年1回のワクチン接種を受けていた。1頭はワクチン未接種であった。診断は迅速ELISA検査および/またはPCR検査によってなされた。分離ウイルスは、遺伝子学的にオハイオ2003株と密接に関係していた。この馬インフルエンザの流行は、衛生的および医学的予防対策により管理されている。
馬伝染性貧血
疫学的に関連がある馬(前回報告)に実施されたコギンズ試験により、3施設16頭で感染が確認された。感染馬はすべて非サラブレッド種で、フランスの南東部に繋養されていた。フランス政府による全国的な疫学的ならびに血清学的追跡調査では、現時点での新しい感染例は認められていない。
馬ウイルス性動脈炎およびウエストナイルウイルス感染症は報告されていない。
ドイツ
報告事項なし。
香港
報告事項なし。
アイルランド共和国
腺疫
キルケニー、ミーズ、キルデア、カーロー、ウェクスフォード、リマリック、ティペラリーおよびコークで、18施設21頭の発生が報告された。
馬ヘルペスウイルス1型(EHV-1)による神経疾患
2施設のおける単発例と、他の施設での複数の発生が報告された。
馬ヘルペスウイルス1型(EHV-1)による流産
2施設において2例ずつの発生が、また別の2施設において1例ずつの発生がそれぞれ報告された。
馬ヘルペスウイルス4型(EHV-4)による流産
3施設において単発例がそれぞれ報告された。
馬ヘルペスウイルス4型(EHV-4)による呼吸器疾患
2施設2例の発生が報告された。
イタリア
ウエストナイルウイルス感染症(WNV)
前四半期の報告以来、新たなWNV感染症の発生は報告されていない。一方、ワクチンが使用可能となり、臨床獣医師による接種が開始された。
日本
EHV-1による流産
2施設で2頭(繁殖用馬およびサラブレッド種)の発生が確認された。それぞれの発生は2009年4月23日と4月25日であった。確定診断は、北海道日高家畜保健衛生所において血清学的診断によってなされた。このうち1頭はワクチン接種を受けていた。
破傷風
5月2日と5月20日にサラブレッド種の競走馬1頭と非サラブレッド種の馬1頭それぞれ破傷風にかかったと報告された。それぞれの患馬の診断を実施したのは、北海道の別海地区農業共済組合と胆振地区農業共済組合であった。それらの診断はいずれも臨床症状に基づいてなされた。
ニュージーランド
報告事項なし。
シンガポール
報告事項なし。
南アフリカ
EHV-1
5月に限定的な発生が報告され、現在も継続中である。確定診断は、プレトリア大学の病理学部門および馬研究センターにおいて、酵素免疫染色法、病理組織学的診断およびPCR検査によってなされた。1つのサラブレッド種繁殖牧場において14頭のサラブレッド種および繁殖用馬が感染した。これらの馬にワクチン接種歴はなかった。
馬ピロプラズマ病(Babesia caballi and Theileria equi)
2008年9月に最初の発生が報告され、2009年6月に最後の発生が報告された。確定診断は、開業獣医師による血清学的検査ならびに血液塗沫の顕微鏡検査によってなされた。発生は限定的で、感染したサラブレッド種、非サラブレッド種および繁殖用馬の臨床症状は軽度であった。感染馬にワクチン接種歴はなかった。Theileria
equiおよびBabesia caballi感染症は南アフリカでは風土病として存在しており、春から秋にかけて(9月から5月)臨床例が報告されている。
腺疫(Streptococcus equi)
腺疫の発生は現在も継続中であり、細菌分離により診断がなされている。3施設で少なくとも30頭のサラブレッド種および非サラブレッド種の感染が確認されているが、臨床症状は軽度である。感染馬にワクチン接種歴はなかった。
アフリカ馬疫
2008年の第3四半期に最初の発生が報告され、2009年6月に最後の発生が報告された。確定診断は、オンダーステッポート獣医研究所および馬研究センター獣医学部において、血清学的検査、ウイルス分離、臨床症状およびPCR検査によってなされた。多数の施設においてサラブレッド種および非サラブレッド種の非常に多くの馬が臨床的には軽度な感染を起こした。それらの感染馬は、主にワクチン未接種の若齢馬であったが、ワクチン接種歴のある馬も含まれていた。南アフリカ北東部では、アフリカ馬疫は風土病として存在しており、毎年発生が報告されている。(南アフリカ農務省の地図を参照のこと)
韓国
クロストリジウム感染症(Clostridium perfringens type A)
最初の発生は2009年3月23日に報告され、最後の発生は2009年4月7日に報告された。1ヶ所のサラブレッド種繁殖牧場において、クロストリジウム菌による下痢症の発生が報告された。新生子馬6頭が感染し、うち5頭が死亡した。重度の下痢症を呈した子馬は韓国馬事協会の馬診療所に収容されたが、その後死亡した。死亡した子馬から採取された血液、糞便、小腸および大腸などの検体は、国立獣医科学検疫院に提出された。確定診断は、糞便からの菌分離によってなされた。臨床症状としては、食欲低下、急性下痢、発熱、重度の脱水などが見られた。
スペイン
馬ピロプラズマ病(Babesia caballi and Theileria equi)
風土病として存在している。
馬インフルエンザ
小規模な発生が2009年5月に報告された。確定診断は、マドリードの国立土壌調査研究所(Instituto Nacional
de Investigaciones Agrarias)において、血清学的検査およびウイルス分離によってなされた。発生は限定的であり、感染した5頭のサラブレッド種の臨床症状は軽度であった。馬インフルエンザおよび馬ヘルペスウイルスのワクチン接種は3ヶ月前に実施されていた。
スウェーデン
腺疫
腺疫はすべての種類の馬にかかる疾病あり、スウェーデン全域にわたってみられる風土病である。最近の報告では28箇所の異なった施設において発生が確認されている。これらの感染馬のすべてが必ずしも研究所で診断されているわけではない。
馬インフルエンザ
2施設で発生が確認された。診断はウイルス分離によってなされた。
スイス
アナプラズマ感染症(Anaplasma phagocytophila)
2009年5月に発生が報告された。診断は、細菌分離および臨床診断によってなされた。発生は限定的であり、感染馬は6歳の非サラブレッド種競技馬1頭であった。感染馬の体温は41℃に達し、3日間持続した。ペニシリンによる治療では改善がみられなかったが、オキシテトラサイクリンによる治療は効果があった。感染馬にワクチン接種歴はなかった。
ボレリア症(Borrelia burgdorferi)
2009年5月に発生が報告された。診断は、血清学的検査および臨床診断によってなされた。発生は限定的であり、感染馬は非サラブレッド種1頭であった。感染馬にワクチン接種歴はなかった。
馬ピロプラズマ病(Babesia caballi and Theileria equi)
2009年5月および6月に発生が報告された。診断は、血清学的検査および臨床診断によってなされた。発生は限定的であり、5施設で5頭の非サラブレッド種が感染した。内訳はBabesia
caballi感染が3頭、Theileria equi感染が2頭であり、これらのすべてがスウェーデンの西部地域の発生であった。感染馬にワクチン接種歴はなかった。
腺疫(Streptococcus equi)
2009年2月に腺疫の発生があり、非サラブレッド種1頭で感染が確認された。ワクチン接種歴は不明である。
ブルータングとアフリカ馬疫
スイスでは既にブルータングウイルスが反芻動物に感染している。このためアフリカ馬疫ウイルスの存在の可能性についても注意が払われている。この2種のアルボウイルスは、ヌカカ属のある種の刺す小昆虫によって媒介される。そのため、馬の獣医師はブルータング病の発生に関わっていたこの小昆虫の発生調査に関心を持っている。
スイスの12の気候地域において実施されたブルータングウイルスのベクター(病原媒介昆虫)となる可能性のある刺す小昆虫(ヌカカ属の種)の調査(カウフマンら)
ヌカカ属の小昆虫は、ブルータングウイルスの唯一の生物学的ベクターとして知られている。スイス連邦獣医事務局は、スイス国内の海抜900メートル以上の地域におけるヌカカ属の小昆虫の発生について調査研究を実施した。この調査研究では、スイスの12の気候地域を代表するそれぞれの採集地点で捕獲された小昆虫の数が示されている。体長1~3mmの、この小昆虫を週に1回、UVライトトラップを用いて捕獲し、顕微鏡で観察してObsoletus群、Pulicaris群およびその他のヌカカ属に属する種に分類した。捕獲した小昆虫の数は様々であったが、すべての採集地点で捕獲された。最も多い1ヶ月の平均捕獲数は一晩あたりにして10,000匹であった(スイス北部)。平均捕獲数が3番目に多かったのは、最も高い場所に位置する採集地点であった(Grisons、海抜2,310m)。海抜1,500m以下の駅では、中央ヨーロッパにおいてブルータングウイルスの主要なベクターであると考えられているObsoletus群のヌカカ(スイス北部では98%を占める)が優勢であった。高度が上がるにつれて、Pulicaris群のヌカカが優勢となった(Grisonsでは91%を占める)。スイスの人口集中地域で、これらの刺す小昆虫の存在しない地域はなかった。それ故、これらの種々の刺す小昆虫のブルータングウイルスの媒介能力について、緊急に解明する必要がある。
参照:
Kaufmann C., Schaffner F. und Mathis A. (2009): Monitoring von
Gnitzen (Culicoides spp.), den potentiellen Vektoren des
Blauzungenkrankheitsvirus, in den 12 Klimaregionen der Schweiz;
Schweiz Arch.Tierheilk. 151 (5), 205-213
DOI 10.1024/0036-7281.151.5.205
スイスのアルプス地域の3ヶ所の異なった高地における刺す小昆虫(ヌカカ属の種)の発生状況(Tschuorら)
この野外研究の目的は、海抜1,300mから2,000mの範囲にあるスイスのアルプス地域(Grisons)において、ブルータングウイルスのベクターとなる可能性のある刺す小昆虫(ヌカカ属の種)の発生について調査することである。この目的のため、2008年6月末から10月末にかけて、毎週1回、UVライトトラップを用いて小昆虫を捕獲した。小昆虫は調査を実施したすべての高地において見られたが、場所によって生息数が明らかに異なっていた。最も多くの小昆虫が捕獲されたのは、中間の標高(海抜1,500m)にある駅だった。一方、残りの2ヶ所(海抜約2,000m)で捕獲された小昆虫の数にはかなりの差があった。ブルータングウイルスの媒介能力についてはほとんど不明のPulicaris群に属する小昆虫が、高度の増加とともに優勢となった。繁殖地域としての可能性を確認するため、3つの牧場で採取された17検体の土壌サンプルが研究室で培養された。異なった種の昆虫が発生してきたが、ヌカカ属の昆虫ではなかった。このため、ヌカカ属の幼生期の生息地は未だ不明である。今回の調査結果から、スイスにおいては、すべての農業利用地(アルプスの夏季の放牧地を含む)において刺す小昆虫が存在しない場所はほとんどないと結論付けることができる。このことは、スイスの高地において、常時あるいは一時的に飼育されるウシ、ヒツジ、ヤギおよびラクダ科の動物に対して、ブルータングに対するワクチンを接種するべきであることを強く示唆している。
参照:
Tschuor A.C., Kaufmann C., Schaffner F. und Mathis A. (2009):
Vorkommen von Gnitzen (Culicoides spp.) in drei H喇enlagen
einer alpinen Region der Schweiz; Schweiz.Arch.Tierheilk. 151
(5), 215-221
DOI 10.1024/0036-7281.151.5.215
Bern, 07.07.09 / HPM
馬の致死的筋ジストロフィーを起こす有毒誘因分子の同定(Ungerら)
馬の非定型筋症(EAM)としても知られている、馬の致死的筋ジストロフィーは牧草が関連している病因不明の疾患である。筋線維の変性と急性麻痺が特徴であり、血管呼吸器系の破綻により突然死を引き起こす。この疾患は、予防法も治療法もないため、致死率は90%を超える。これらの動物の損失は、経済的に壊滅的な影響をもたらす。我々はこの論文で、Clostridium
sordellii(偏性嫌気性菌の一種)の致死的毒素(LT)がEAMに罹患した馬の骨格筋に存在することを明らかにしている。健康馬やその他の筋炎に罹患した筋繊維は、LT特異抗体とは反応しない。しかしながら、馬の致死的筋ジストロフィーの罹患馬の筋繊維は、LT特異抗体と反応しただけではなく、EAM罹患馬の血清とも反応した。
これまで、このC.sordellii由来のLTは、ウシやヒツジのガス壊疽症候群およびヒトの毒素性ショック症候群の原因とされてきた。この研究でEAM罹患馬の筋繊維にLTが存在することが確かめられたことから、馬の致死的筋ジストロフィーが起きる原因として、
LTが誘因、さらには致死要因としてその役割を演じていることを示唆している。我々のデータは、予防のためのワクチン開発に貢献するかもしれない。
参照:
Unger L., Baum O., Lehman A., Grabner F., Frey J., Hoppeler H.,
Stahl C., Gerber V., Straub R. (2009): Schweiz. Arch. Tierheilk.,
Netzwerk Pferdeforschung Schweiz, 151 (4), 184
トルコ
馬ピロプラズマ病(Babesia caballi と Theileria equi)
2009年4月4日から5月20日に流行があったと考えられる(原文にミスがあるため正しい発生時期は不明)。確定診断は、エトリーク国立リファレンスラボラトリーにおいて血清学的検査および蛍光抗体法によってなされた。発生は限定的であり、2施設で2頭のサラブレッド種において感染が確認されたが、臨床症状は軽度であった。
レプトスピラ症
発生は2009年4月29日に始まり、最終の発生例は2009年6月4日であった。エトリーク国立リファレンスラボラトリーにおいてMATによって確定診断された。その発生は限定的であり、2施設で3頭のサラブレッド種が感染し、それらの臨床症状は軽度であった。
アラブ首長国連邦
馬ピロプラズマ病(Babesia caballi と Theileria
equi)
アラブ首長国連邦において、バベシア・カバリおよびタイレリア・エクイ感染症は風土病であり、定期的に症例が報告されている。非サラブレッド種で限定的な発生が認められた。診断は、ドバイにあるCentral
Ventral Research Laboratoryにおいて、血清学的検査および原虫の分離によってなされた。
イギリス
馬ヘルペスウイルス
馬ヘルペスウイルス1型(EHV-1)による流産
14例のEHV-1による流産が確認された。確定診断は、組織学的検査、免疫組織化学的検査、PCR、および/またはウイルス分離によってなされた。これらには、正常に分娩されたが呼吸器系の合併症を発症して4日目に死亡した子馬(死亡馬の肺の免疫組織化学的検査により診断)、ポロ用馬の牧場において発生した3例の流産(1例のみが研究施設においてEHV-1と診断され、これらの妊娠馬は当歳馬と接触していた)および1牧場において発生した3例の死産(1例のみが研究施設においてEHV-1と診断された)が含まれている。
馬ヘルペスウイルス1型(EHV-1)による麻痺疾患
1頭の牝馬が数週間にわたり不調を呈していた(当該馬はELISAにより腺疫陽性であった)。その後、粘液濃性の鼻漏および神経症状(協調運動失調)を呈した。脳の組織学的検査ではウイルス性脳炎を示す変化が認められ、さらにPCRにより脳組織はEHV-1陽性となった。鼻咽頭スワブ、脳組織および脳脊髄液からはウイルスは分離されなかった。感染馬と接触した6頭は臨床的には健康であったが、補体結合試験により、このうち2頭がEHV-1に対して陽転していることが明らかとなった。また、これら6頭から採取されたヘパリン加血液において、1検体からEHV-2が分離されたが、それ以外は陰性であった。
5歳のウェールズ Aの去勢馬が、両後肢の不全麻痺、運動失調および尿閉などのEHV-1感染による典型的な麻痺型の症状を示した。ヘパリン加血液からウイルスは分離されなかったが、CF試験によりEHV-1の陽転が明らかとなった。この施設で感染した馬は他にいなかった。
9歳のサラブレッド種の去勢馬が、運動失調および尿失禁といった神経症状を示した。ヘパリン加血液からはEHV-1が分離された。血清学的検査によっても、最近EHVに接触したことが示唆された。この馬は、対症療法により回復した。この乗馬学校で感染馬と接触した30頭の馬のうち数頭が呼吸器症状を示したが、神経症状は認められなかった。この施設は隔離されており、その後の報告が待たれる。
馬ヘルペスウイルス4型(EHV-4)による呼吸器感染症
この四半期に1例のEHV-4による呼吸器感染症が報告された。
馬ヘルペスウイルス2型(EHV-2)
20歳のサラブレッド種の牝馬の鼻咽頭スワブからEHV-2が分離されたが、ヘパリン加血液からは分離されなかった。
競馬場の2歳のサラブレッド種牝馬において、ヘパリン加血液からEHV-2が分離されたが、鼻咽頭スワブからは分離されなかった。ペア血清を用いた血清学的検査では、馬インフルエンザウイルス、EHV-1および4、馬ライノウイルスAおよびB、アデノウイルスに対するウイルス活性は認められなかった。
9歳のポニーのセン馬と他の動物のヘパリン加血液からEHV-2が分離された。
馬インフルエンザ
ノーサンバラード州の14歳のポニーの種牡馬が呼吸器症状を呈し、このポニーの鼻咽頭腔スワブを用いた核蛋白ELISAでは陽性となった。その後、ウイルスが分離され塩基配列が決定された。このポニーは過去5年間、ワクチン接種を受けていなかった。このポニーはまた、鼻咽頭スワブの培養の結果、腺疫菌も陽性であった。この施設における感染馬は1頭のみであった。この症例における更なるウイルス分析は実施されなかった。
スコットランドのトレッキング施設において4頭の馬で感染が確認された。この流行は、オランダ中部から新たに導入された馬が、到着の2日後から発咳を認めたことに端を発したと思われる。この施設では、感染馬が8頭とこれに接触した馬が5頭いた。感染馬は、多量の漿液性鼻汁の排泄、安静時または不定期の発咳、リンパ節の腫脹、食欲不振、40℃を超える発熱などの症状を示した。分離されたウイルスは、H3N8馬インフルエンザウイルスであり、アメリカ系統の中のフロリダ亜系統群2に属していた。
馬伝染性子宮炎(CEM)
2009年7月29日にイギリス環境・食料・農村地域省(Defra)は、ハートフォードシャー州ビショップス・ストートフォード近郊の牧場の非サラブレッド種の競技用種牡馬から伝染性子宮炎菌が分離されたと発表した。この種牡馬と、同じ施設に繋養されている他の23頭の馬との性的接触については不明である。この種牡馬は、繁殖のためではなく競技会に参加するため1ヶ月前にヨーロッパ本土からイギリスに入国する際は、臨床的に健康であり、輸出前検査としてCEM検査のために検体が採取された。イギリスOIEのCEMに関するリファレンスラボラトリーであるバリーセントエドマンズのVeterinary
Laboratories Agencyにおいて実施された細菌分離およびPCR検査の結果、CEM陽性と診断された。公表された情報によると、この種牡馬はイギリスへ移動してからいかなる繁殖行為(牝馬に種付けすることや、精子を牝馬に提供すること)もしてはいない。。調査ならびに移動制限などによる管理が現在も継続中である。
アメリカ合衆国
馬伝染性子宮炎(CEM)
USDAの2009年5月26日付の最新情報
2008年12月に報告された最初の発生以降、20頭の種牡馬と1頭の去勢馬がCEM陽性と確認された。陽性と診断された種牡馬は、ジョージア州で1頭、イリノイ州で3頭、インディアナ州で3頭、ケンタッキー州で4頭、テキサス州で1頭およびウィスコンシン州で8頭であった。去勢馬はアイオワ州の1頭であった。また、カリフォルニア州で2頭、イリノイ州で2頭およびウィスコンシン州で1頭の牝馬がCEM陽性と同定された。すべての陽性の種牡馬は、治療を受けたか、または治療中であり、CEMの再検査のためにそれぞれ2頭の牝馬を用いて交配試験に供された。陽性と診断された牝馬に対しても、治療と再検査が実施された。陽性と診断された種牡馬のうち9頭(ケンタッキー州の4頭、インディアナ州の3頭、テキサス州の1頭およびウィスコンシン州の1頭)は既に治療および検査が終了し、現在はCEM陰性となっている。主に非サラブレッド種のすべての種牡馬は、人工授精のための精液採取を専門とする施設に繋養されており、この数年間に何度も移転していた。人工授精器具を共同で使いまわした結果として、種牡馬間で水平伝播が起こり、そのことが今回のCEMの流行において重要な役割を演じた。なお、交尾感染による種牡馬から繁殖牝馬への伝播の形跡はほとんどなかった。陽性を示したウィスコンシン州の1頭のサラブレッド種の種牡馬は、人工授精のためだけに精液を採取されていた。馬伝染性子宮炎菌分離株の抗生物質感受性検査では、一様にストレプトマイシンへの耐性を示した。今回の流行が、アメリカ合衆国のサラブレッド種の繁殖馬群に波及していることを示す証拠は今のところ見られない。これまでのアメリカ合衆国におけるCEMの最終流行は、東ヨーロッパからウィスコンシン州に輸入された3頭のリピッツァナー種の種牡馬間で2006年に起きていた。
東部馬脳炎
フロリダ州、ジョージア州およびルイジアナ州で発生が報告された。
馬ピロプラズマ(Babesia caballi and Theileria equi)
ミズーリ州農務省は、6月初旬に1施設7頭の馬が馬ピロプラズマ陽性と診断されたと発表した。最初の発生は7歳のクオーターホースで、臨床症状を伴っていた。
水胞性口炎
6月にニューメキシコ州およびテキサス州で発生が報告された。
牝馬繁殖不全症候群(MRLS)
2009年5月5日から6月15日までの期間において、ケンタッキー大学家畜疾病診断センターは、MRLSの診断基準を満たした13例の流産について報告した。この期間の以前または以後において、MRLSの症例は確認されなかった。13例のうち、7例は妊娠後期の流産で、6例は早期胎児喪失であった。症例の過半数はサラブレッド種(7例)で、その他はアメリカン・サドルブレッド、ロッキーマウンテンホース、オルデンバーグ、ゴットランド、スタンダードブレッドおよび雑種がそれぞれ1例ずつであった。MRLSが発生したケンタッキー州中央部のいくつかの牧場において、極めて多数の東部テンマクケムシの発生が報告された。2009年の繁殖シーズンにおけるMRLSの症例数は、ここ数年と比べてわずかに増加している。このことは、この地方の特定の地域において東部テンマクケムシの発生報告が増加していることと相関している。2009年の繁殖シーズンにおける新たなMRLSの発生の危険性はもうなくなったと考えられるあらゆる根拠がある。
2009年第2四半期分の追加情報
アイルランド
腺疫
キルケニー、ミーズ、キルデア、カーロー、ウェクスフォード、リマリック、ティペラリーおよびコークで、18施設21頭の発生が報告された。
馬ヘルペスウイルス1型(EHV-1)による神経疾患
2施設のおける単発例と、他の施設での複数の発生が報告された。
馬ヘルペスウイルス1型(EHV-1)による流産
2施設において2例ずつの発生が、また別の2施設において1例ずつの発生がそれぞれ報告された。
馬ヘルペスウイルス4型(EHV-4)による流産
3施設において単発例がそれぞれ報告された。
馬ヘルペスウイルス4型(EHV-4)による呼吸器疾患
2施設2例の発生が報告された。
韓国
クロストリジウム感染症(Clostridium perfringens type A)
最初の発生は2009年3月23日に報告され、最後の発生は2009年4月7日に報告された。1ヶ所のサラブレッド種繁殖牧場において、クロストリジウム菌による下痢症の発生が報告された。新生子馬6頭が感染し、うち5頭が死亡した。重度の下痢症を呈した子馬は韓国馬事協会の馬診療所に収容されたが、その後死亡した。死亡した子馬から採取された血液、糞便、小腸および大腸などの検体は、国立獣医科学検疫院に提出された。確定診断は、糞便からの菌分離によってなされた。臨床症状としては、食欲低下、急性下痢、発熱、重度の脱水などが見られた。
トルコ
レプトスピラ症
発生は2009年4月29日に始まり、最終の発生例は2009年6月4日であった。エトリーク国立リファレンスラボラトリーにおいてMATによって確定診断された。その発生は限定的であり、2施設で3頭のサラブレッド種が感染し、それらの臨床症状は軽度であった。