(International Collating Center からの情報)
2010年2月配信
オーストラリアからの報告提供時期の変更に伴い、今後同国のレポートは一四半期遅れて配信されるので注意されたい。以下に、オーストラリアの2009年第3四半期のレポートを記載する。その後に、その他の国の第4四半期のレポートを通常の形式で記載する。
| オーストラリアの2009年第3四半期の伝染病発生状況 |
<オーストラリアの2009年第3四半期(7月―9月)の報告>
Animal Health Surveillance Quarterly (AHSQ) Compiled by Animal
Health Australia (AHA) (http://www.animalhealthaustralia.com.au/status/ahsq.cfm)
■ヘンドラウイルスの最新情報
(クイーンズランド州雇用・経済開発・技術改革省 ヒューム・フィールドによる報告)
2009年半ばに、クイーンズランド州で2件のヘンドラウイルス感染症の発生があった。1件目は、クイーンズランド州中部、ロックハンプトン近郊のカワラルで7月から8月にかけて発生し、1施設26頭中4頭の馬が感染した。ヘンドラウイルス感染症と診断される前に、感染馬の1頭した獣医師が、ヘンドラウイルスに感染して死亡した。2件目は、クイーンズランド州北部のボーウェンで8月から9月にかけて発生し、1施設の3頭中2頭の馬が感染した。これらの2件の発生により、1994年にこのウイルスが初めて発見されて以降の既知の発生事例は13件となった。オオコウモリ属がこのウイルスの自然宿主である。
これらの発生事例に関する詳細については、クイーンズランド州の報告(後述の「州および準州の報告」の項)に記載されている。
13件の発生事例のうち、5件ではヒトへの感染が起こった。ヒトのヘンドラウイルス感染症に罹患した7人のうち4人が死亡した。
ヘンドラウルスの感染性はそれほど高くない。コウモリから馬、馬から馬、そして馬からヒトへの伝播は容易には起こらない。初期の段階で馬の急性発熱性疾患の予測される原因の一つとしてヘンドラウイルスを考慮することは、馬やヒトへの暴露を最小限にするためには不可欠なことである。これまでの多くの発生事例では、初発例はレトロスペクティブに同定され、さらなる伝播を防ぐための基本的なバイオセキュリティ対策の実施が遅れた。このことは、連邦科学産業研究機構オーストラリア動物衛生研究所における最近の実験研究の結果によって裏付けられた。この実験によると、感染馬は臨床症状が現れる48時間前から鼻汁、唾液、尿および糞便中に増量したウイルスを排出し始め、死亡時にその排出量はピークに達する。
馬のヘンドラウイルス感染症における非特異的な臨床症状は、臨床像に基づいた早期発見を困難にさせている。症例は、非常に軽度のものでは不明瞭な症状を示し、典型的なものでは非常に急性の呼吸器および/または神経症状を示すかもしれない。それゆえ、獣医師は、広義の本症臨床例の定義に当てはまるすべての馬の検体を迅速に研究所に提供し、検査結果が届くまでの間、これらの馬を適切に管理することが重要である。有効な市販の実用可能なウマ用ワクチンがない状況で、ヘンドラウイルス感染症のリスクを軽減させるには、基本に立ち返ることである。
・馬の世話をする人および獣医師に対する本症の注意喚起
・ウイルスに馬が暴露されるリスクを最小限にする方策の実施
・馬を診療する獣医師による基礎的な個人用防御装備の日常的な使用および感染抑制対策
・発熱馬に対する鑑別診断の対象疾病として、初期段階でヘンドラウイルス感染症を考慮すること
・本症疑似症の検査結果の待機期間中におけるバイオセキュリティ対策の実施
・研究所による迅速な診断
・感染例および接触者の効果的管理
馬およびヒトのヘンドラウイルス感染症はめったに起こらない。しかし、その深刻な結末や、この数年の本症の発生は、一般社会やメディアの危機意識に影響を及ぼしている。動物の臨床試験によって、抗ヘンドラウイルスモノクローナル抗体を用いた暴露直後の処置が、ヒトの治療法として期待できることが示唆されている。
■州および準州の発生状況
ニューサウスウェールズ州(NSW)
(産業投資省 ローリー・アーサーによる報告)

2009年7月末から8月にかけてクイーンズランド州カワラルでヘンドラウイルス感染症が発生した際、外見上健康な1頭の馬がカワラルの施設からニューサウスウェールズ州タムワース地区の施設に移動した。ヘンドラウイルスに感染したすべての馬が死亡したわけではなく、回復した馬はウイルスを伝播し、他の馬やヒトの健康に危険を及ぼす可能性がある。
この発生事例では、その馬が感染していたかどうか、さらには回復していたかどうかについて評価するために調査が行われた。血清学的診断のために全血が、PCR検査(白血球が検査材料)のためにヘパリン加血がそれぞれ採取された。検査結果は陰性であり、馬の移動制限は解除された。
馬ヘルペスウイルス1型の感染による流産の迅速検査
馬ヘルペスウイルス1型(EHV-1)感染による繁殖牝馬の流産に対する迅速診断は、現在、エリザベス・マッカーサー農業研究所のウイルス学研究室で、迅速PCR検査によって行われている。検査結果は、通常、検体を受理してから約24時間で得られる。この四半期においては、3つの繁殖牧場で発生した6例のEHV-1による馬の流産が、胎子組織(特に肺臓、肝臓、胸腺および脾臓)を用いたPCR検査によって診断された。また、このうち3例については、別の研究室で組織病理学的にも診断がなされ、胎子の肺臓、肝臓、脾臓および胸腺にEHVに特徴的なウイルス封入体が確認された。
繁殖牧場では、例えばEHV-1のワクチン接種を要求する、牝馬を少頭数のグループで管理して新たな牝馬を導入しない、滞在中の外部の牝馬と自場の牝馬を隔離するなどの数々の方策を用いてこの問題を管理しようとしたが、ニューサウスウェールズ州ではEHV-1による流産が時折確認された。ワクチン接種は、完全な予防とはならない。繁殖シーズンにおける多くのストレスを伴う牝馬の移動は、潜伏感染しているEHV-1を再活性化したり、汚染された輸送車両または装備を介した他の馬への感染を引き起こす可能性がある。
馬インフルエンザの除外
ニューサウスウェールズ州中北部のビンガラ近郊の施設に繋養されていた7頭の馬のうち2頭が、馬インフルエンザ(EI)の疑いで調査された。この2頭の馬は40℃以上の発熱、多量の漿液性または粘液膿性の鼻漏および頻回の発咳を呈した。これは、2頭の若い馬の導入直後に発生した。抗生物質、粘液溶解薬および非ステロイド性抗炎症薬による治療に対して、ほとんど効果は見られなかった。罹患しなかった馬のうち1頭は、数年前に北半球から輸入された馬であり、EIの予防接種を受けていた可能性が高い。
地域の獣医師によりPCR検査および血清学的検査のための検体が採取され、腺疫の可能性を除外するため鼻腔スワブの培養が行われた。2頭ともEHV-4の検査陽性という結果であった。EHV-4は若い馬における発生が一般的であるが、この2頭は8歳と17歳であった。その他の検査結果により、EI、EHV-1、および腺疫の可能性は除外された。この2頭は回復するまでに3週間以上の期間を要した。感染源は導入馬と推測された。
北部準州(NT)
(資源省 フランソワ・ヒューマンによる報告)

馬における外来伝染病の除外
州をまたいで、最近ダーウィンの農村地域に導入された2頭の馬が発咳などの症状を示し、輸送または放牧場の埃の影響が原因と推測された。この2頭と、数日後に発熱、鼻漏および発咳を呈した同居馬2頭から血液および鼻腔スワブ検体が採取された。ベリマ獣医学研究所に提供された検体のPCR検査によって馬インフルエンザウイルスの感染は除外された。
鼻腔スワブの細菌培養によって、Streptococcus equi subsp. zooepidemicusの存在が明らかとなった。この細菌は粘膜片利共生微生物であるが、輸送直後や熱ストレスを受けた馬の呼吸器疾患の原因となることが報告されている。
カサリンの牧場関係者は、急性の血様鼻汁漏出と両側性の眼振を呈した1頭の馬について報告した。この馬は無反応に見えたが、数時間のうちに運動失調を呈した。安楽死の処置を施す前に、血液検体および粘膜スワブが採取された。ヘンドラウイルスも可能性のある鑑別診断のひとつであったため、危険を認識して死体は剖検せずに埋葬された。その後、CSIROオーストラリア動物衛生研究所によってヘンドラウイルス感染症は除外された。
クイーンズランド州(QLD)

ヘンドラウイルス
7月下旬から8月上旬にかけて、ロックハンプトン地方の牧場で3頭の馬が発病し、死亡した。3番目に発病した馬について、獣医師が検査したところ、高熱(40℃)、肺呼吸音の増大、軽度の沈鬱を呈していた。この馬は急激に衰弱し、翌日には虚脱し、死亡する前に重度の鼻汁漏出および歩行困難を呈した。鼻腔スワブと血清検体はPCR検査によってヘンドラウイルス陽性と診断された。不幸にも、獣医師自身もヘンドラウイルスに感染し、後日病院で死亡した。
その他の接触者についても検査したが、ヘンドラウイルスの感染を示す証拠は得られなかった。
振り返って検証してみると、最初に発病した馬が呈した臨床症状は、ヘンドラウイルス感染症のものと一致していた。2番目の馬からは検体が得られ、ヘンドラウイルス陽性であった。この馬は、最初に発病した馬の死体から出た体液に密接していた。3番目の馬のウイルス暴露の方法については、複数の可能性が考えられた。
発生牧場およびこの牧場の馬と馬同士が直接鼻面を接することのできる近隣の牧場は検疫下におかれた。発生牧場は、23頭の馬を繋養する繁殖および育成牧場であり、かなりの数の馬の出入りがあった。馬の移動に関する追跡調査によって、さらにニューサウスウェールズ州の1牧場を含む16の牧場に移動制限がなされた。すべての牧場について、健康監視プログラムおよび検査のための採材スケジュールが作成された。
8月下旬、発生牧場の別の馬が健康監視下で異常を指摘された後に、ウイルス中和試験で陽性となった。この馬には、安楽死の処置が施された。
第3四半期の終わりの時点では、発生牧場を含む3牧場のみが引き続き検疫下に置かれていた。これらの牧場のすべての馬についての最終的な血清学的検査は、最後にヘンドラウイルスに暴露された危険性のある日から起算して32日目にあたる、10月初旬に計画された。この報告の時点(10月下旬)では、最終的なウイルス中和試験で陰性を確認後、すべての検疫措置が解除されている。
これらとは無関係の発生で、9月上旬にボーウェン地区において、1頭の馬が短期間の発熱を呈した後、死亡した。血液および鼻腔スワブのPCR検査の結果、ヘンドラウイルス陽性であった。この症例の管理方法はロックハンプトン地区の事例と同様であったが、この牧場には馬が2頭しかおらず、近隣牧場の馬との接触もほとんどなかった。発生牧場およびこの牧場と接触のあった2牧場について移動制限が実施された。この措置は、第3四半期の終わりにおいても継続中であったが、この報告の時点(10月下旬)では、すべての馬についてウイルス中和試験で陰性を確認し、すべての制限が解除されている。
馬の疾病管理のバイオセキュリティに対して、これらの発生事例が示唆していることについては、このレポートの“ヘンドラウイルスの最新情報”の項に記載されている。
ビクトリア州(VIC)
(ビクトリア州第一次産業省 キャメロン・ベルによる報告)

サラブレッド種繁殖牧場における馬ヘルペスウイルス1型による流産
2009年8月、ビクトリア州南西部でサラブレッド種の13頭の牝馬群のうち8頭で流産が発生し、馬ヘルペスウイルス1型(EHV-1)が関与していた。別の繁殖牧場から臨床疾患のない1頭の牝馬が民間輸送業者によって導入されてから3〜4週後に流産が始まり、その後2週間の間に、臨床的に正常な牝馬が次々と流産した。肉眼病理学的所見はEHV-1の所見と一致しており、VDS
Attwood laboratoryでプールされた流産胎子の肺臓、肝臓、脾臓および胸腺組織のPCR検査によって確定診断がなされた。最初の流産以降、この馬群は指定された装備とスタッフによって厳重に隔離された。さらに消毒や汚染除去作業も実施され、この繁殖牧場の残りの馬への感染の拡大は防がれた。自主的な移動制限は、最後の流産から30日後まで実施された。
EHV-1はオーストラリアの馬群に常在化しており、流産、死産、新生子死、呼吸器疾患および神経疾患を引き起こす。感染抑制対策は、暴露される機会をできるだけ少なくすることと感染の拡大を限定的なものに抑えることを目指している。
南オーストラリア州(SA)
報告事項なし
タスマニア州(TAS)
報告事項なし
西オーストラリア州(WA)
報告事項なし
<2009年第4四半期の報告>
ロタウイルスによる仔馬の下痢症
この四半期中に発生があり、Virology Institute INTA CastelarでELISAによってウマロタウイルスが原因であること確認された。発生は限定的であったが、臨床症状は重度であった。下痢を呈した6つの異なる牧場の27頭のサラブレッド種の子馬から糞便材料が採取され、うち11検体がウマロタウイルス陽性であった。
馬ヘルペスウイルス1型(EHV-1)による流産
10月10日に最初の発生があり、最後の発生は11月11日に報告された。Virology Institute INTA
Castelarにおいてウイルス分離およびPCR検査によって確定診断がなされた。発生は限定的で、3つの異なる牧場の数頭のサラブレッド種および非サラブレッド種の馬が感染した。最初の牧場では、48頭のワクチン接種を受けた妊娠馬において5頭の死産例が報告され、胎子1例が診断のために送付された。2つ目の牧場では、50頭のワクチン未接種の妊娠馬において8頭の流産例が報告され、1例が診断のために送付された。3つ目の牧場では、20頭のワクチン未接種の妊娠馬において1頭の流産例が報告され、診断のために提供された。研究所に提供されたすべての症例からEHV-1が分離された。また、特異的リアルタイムPCR検査によってEHV-1の変異株の決定がなされたが、これらの分離株はすべて非神経病原型であった。
最初に述べたとおり、オーストラリアの第4四半期の報告は、2010年第1四半期のICCレポートの初めに遅れて配信される。
報告事項なし。
報告事項なし。
報告事項なし。
(フランスの馬疾病の疫学監視ネットワークであるRESPEからの報告)
腺疫(Streptococcus equi)
オワーズ県、エン県、セーヌ・エ・マルヌ県、ロワール・アトランティック県、カルヴァドス県およびモルビアン県の9施設31頭の非サラブレッド種の馬で腺疫の発生が報告された。6施設においては、感染馬は発熱、鼻汁漏出、リンパ節症、嚥下障害および発咳などの症状を呈した。その他の3施設では、感染馬の症状は軽度であった。すべての感染馬はワクチン接種を受けていなかった。確定診断はPCR検査によってなされた。
馬伝染性子宮炎(Taylorella equigenitalis)
カルヴァドス県のベルギー温血種1頭が細菌分離によって陽性と確認された。
馬ピロプラズマ病(Babesia caballi and Theileria equi)
ピロプラズマ病は、フランスでは風土病として存在している。
馬ヘルペスウイルスによる流産
異なる2施設における2件の発生(2例の流産)が報告された。1例はエン県のフレンチトロッター種で、ワクチン接種を受けていた。この馬以外の発生は確認されなかった。もう1例はオルヌ県のワクチン接種を受けたサラブレッド種であった。この施設でも別の馬での発生はなかった。
馬インフルエンザ
5つの乗馬学校施設の非サラブレッド種の馬において馬インフルエンザの発生が確認された。うち4つの施設の馬はワクチン接種を受けていなかった。施設1はエロー県にあり、9頭が発熱や発咳、鼻汁漏出などの症状を呈した。施設2はオード県にあり、7頭が発咳や鼻汁漏出の症状を呈した。この発生は、馬の仲買業者を介して、約30km離れたエロー県の感染施設と結びついていたと考えられる。施設3は、ロット県にあり、3頭の馬が発熱と発咳を呈した。施設4はマンシュ県にあり、5頭のフレンチサドルホースが発熱、発咳および鼻汁漏出などの症状を呈した。施設5はオートガロンヌ県にあり、7頭が感染した。これらの馬は、十分なワクチン接種を受けており、発熱や発咳などの臨床症状を呈した。馬インフルエンザの確定診断は鼻腔スワブのPCR検査によってなされ、ウイルス株の型別の結果については待機中である。
馬ウイルス性動脈炎、馬伝染性貧血およびウエストナイルウイルス感染症の発生は報告されていない。
馬伝染性貧血(EIA)
クルムバッハ行政区(ババリア連邦政府)の2施設6頭の馬が、コギンズ試験によってEIAと診断された。これらの施設は検疫下に置かれた。感染馬の1頭が沈鬱、発熱および重度の腹側部および末梢部の浮腫などの明確な臨床症状を呈した。法律に基づいて、この馬は2009年12月29日に安楽死の処置が施された。この施設の他の61頭の馬および感染馬と接触した3頭の動物についての調査が獣医当局によって開始された。接触のあった施設についてのEIAの調査は陰性であった。しかし、公式にEIAと確定された5頭以上の馬が、安楽死の処置を施されなければならなかった。この疾患がどのように侵入したかについての疫学的調査は現在も継続中である。感染馬はすべてレジャー用の馬であり、サラブレッド種専用牧場でのサラブレッド種の馬の感染はなかった。
さらにツォレルンアルプ行政区(バーデン・ヴュルテンベルグ連邦政府)の1頭のレジャー用ポニーがコギンズ試験によってEIAと診断された。素性の定かでないこのポニーは、8月末に発生牧場にやって来た。この馬は2ヶ月以上にわたって原因不明の発熱を呈し、ドイツのレファレンスラボラトリーであるグライフスワルト(インゼル・リームス島)にあるフリードリフ・レフラー研究所によってEIAの診断が公式に確定された後、2009年11月19日に安楽死の処置が施された。発生牧場は検疫下に置かれ、保護区域が設定された。感染馬と接触した動物の調査が開始され、サーベイランスが実施された。現在までのところ、25施設の350頭以上の馬について実施されたすべての検査結果は陰性となっており、最終のスクリーニング検査の結果をまっているところである。
2009年10月16日にヴンジーデル/フィヒテルゲビルゲ行政区(バヴァリア連邦政府)の1施設で、臨床症状からEIAの疑いが生じ他馬がコギンズ試験によって陽性と診断された。発生はレジャー用の馬に限局しており、サラブレッド種の感染はなかった。発生牧場は検疫下に置かれ、2頭の感染馬が安楽死の処置が施された。この施設の他の馬については、既に死亡していたためEIAの診断には至らなかった。感染源はいまだ不明である。この牧場にはもはやウマがおらず、感染の拡大に関するすべての調査でEIA検査陰性であったことから、担当官庁はこの行政区においてEIAは根絶されたと認めた。
Dr Boese研究所有限責任会社(HBLB CEMO registered laboratory)による検査結果
馬ピロプラズマ病(Babesia caballi and Theileria equi)
Th.equi −計42頭(ポルトガル10頭、フランス9頭、ベルギー9頭、ドイツ6頭、スペイン5頭、オランダ2頭、ベルギー1頭)について血清学的に確定診断がなされた。
B.caballi −計6頭(ポルトガル3頭、フランス2頭、ベルギー1頭)について血清学的に確定診断がなされた。
馬ウイルス性動脈炎(EVA)
計9頭(ドイツ5頭、オランダ3頭、オーストリア1頭)についてウイルス分離によって確定診断がなされた。
レプトスピラ症
ドイツの4頭の馬が、PCR検査によって診断された。
馬ヘルペスウイルス1型
ドイツの1頭の馬が、PCR検査によって診断された。
馬ヘルペスウイルス4型
ドイツの5頭の馬が、PCR検査によって診断された。
馬インフルエンザ
ドイツの2頭の馬が、PCR検査によって診断された。
エールリヒア症(Ehrlichia equi)
ドイツの1頭の馬が、PCR検査によって診断された。
腺疫(Streptococcus equi)
ドイツの2頭の馬が、菌分離およびPCR検査によって診断された。
馬伝染性子宮炎(CEM)
ドイツの2頭の馬が、菌分離によって診断された。
肺炎桿菌感染症
ドイツの1頭の馬が、菌分離によって診断された。
緑膿菌感染症
ドイツの1頭の馬が、菌分離によって診断された。
報告事項なし。
報告事項なし。
狂犬病
8月の初めに、イタリア北東部で犬の狂犬病の発生が2件、加えて野生動物での発生が46件報告されたが、馬における狂犬病の発生は一般的ではない。この後、イタリア北東部の特定地域で飼養されている、あるいはこの地域を訪れたことのあるすべての犬、猫およびフェレットに対して、ワクチン接種が義務付けられた。この感染症は、スロベニアから、特にキツネなどの野生動物によって持ち込まれたと推測された。
狂犬病ウイルスに感受性のある動物のすべての死亡例に対して、ヴェネツィア動物予防試験所で監視を行っている。
イタリアでは1995年以降、狂犬病の発生は報告されていなかった。今回の最初の発生は2008年10月に起こり、2009年にはさらに47件がヴェネト州およびフリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州で発生した。
ウエストナイルウイルス感染症(WNV)
最後の発生は2009年10月14日に報告された。この時点で、発生件数は111件、症例数は151例であった。うち38例のみが臨床症状を示し、8例が死亡した。2009年の死亡率は2008年と同様であった(2008年は15.6%、2009年は21.05%)。ワクチン接種はまだ一般的には行われていないようであった。
EHV-1 による流産
1件の発生が2009年10月20日に報告された。確定診断は、北海道日高家畜保健衛生所において血清学的検査によってなされた。発生は限局的で、1頭のワクチン未接種のサラブレッド種繁殖用馬が感染した。
EHV-1による神経疾患
1件の発生が2009年11月2日に報告された。確定診断は、北海道日高家畜保健衛生所において血清学的検査によってなされた。発生は限局的で、1頭のワクチン未接種のサラブレッド種繁殖用馬が感染した。
報告事項なし。
報告事項なし。
馬ピロプラズマ病(Babesia caballi and Theileria equi)
9月に最初の発生があり、12月に最後の症例が報告された。確定診断は血清学的検査および血液塗沫標本の鏡検によってなされた。発生は限局的であり、臨床症状は軽度であった。この発生では競技用馬、サラブレッド種および非サラブレッド種の馬が感染した。Theileria
equiおよびBabesia caballiは南アフリカでは風土病として存在しており、臨床例は春、夏および秋(9月から5月にかけて)に報告されている。
EHV-1による流産
最初の発生が2009年6月に報告され、2009年10月に最後の発生が報告された。確定診断はプレトリア大学病理学部およびEquine
Reserch Centre において、酵素免疫染色法、病理組織学的診断およびqPCR検査によってなされた。発生は限局的で、4施設で40頭のサラブレッド種および非サラブレッド種の繁殖用馬が感染した。発生は、西および北ケープ州ならびにクワズール・ナタール州のサラブレッド種と温血種馬の繁殖牧場で起こった。
腺疫(Streptococcus equi)
腺疫は南アフリカでは風土病として存在している。発生は限局的で、臨床症状は軽度であり、サラブレッド種および非サラブレッド種の馬の馬が感染している。確定診断は、通常、菌分離によってなされる。
呼吸器疾患についての血清学的サーベイおよび調査(2009年)
韓国で飼養されているサラブレッド種について、馬ウイルス性動脈炎、馬伝染性貧血、アフリカ馬疫、水胞性口炎、ウエストナイル熱、日本脳炎、馬ヘルペスウイルス1型感染症および馬インフルエンザの血清抗体の保有状況を調べるため、2009年2月から10月にかけて血清学的サーベイが実施された。種牡馬、繁殖牝馬、若齢馬および競走馬などサラブレッド種1,100頭の血清材料がこの調査に供された。臨床検査および材料採取は韓国馬事協会によって行われ、実験室検査は韓国の国立獣医学研究および検疫所において実施された。すべての検査は、OIEマニュアルに沿って実施された。結果は、以下のとおりである。
馬ウイルス性動脈炎(EVA)
7検体(0.6%、種牡馬)が、過去のワクチン接種によりVN試験で陽性となった。
馬伝染性貧血(EIA)
すべての検体が、AGID(コギンズ)試験陰性であった。
アフリカ馬疫(AHS)
すべての検体が、市販のELISAキットによる検査で陰性であった。
水胞性口炎
すべての検体が、市販のELISAキットによる検査で陰性であった。
ウエストナイルウイルス感染症(WNV)
すべての検体が、市販のELISAキットによる検査で陰性であった。
日本脳炎
1,091検体のうち706検体(64.7%)がHI試験陽性であった。これらはワクチン接種または感染によるものであった。
馬ヘルペスウイルス1型感染症(EHV-1)
1,073検体のうち889検体(82.9%)がVN試験陽性であった。これらはワクチン接種または感染によるものであった。
馬インフルエンザ(H3N8型)
1,073検体のうち254検体(23.7%)がHI試験陽性であった。これらはワクチン接種によるものと推察された。
呼吸器検体の調査
2009年5月から11月にかけて、呼吸器症状を呈した競走馬の鼻咽頭スワブ66検体についてウイルス性および細菌性疾患診断のための調査が実施された。結果は以下の通りである。
馬ヘルペスウイルス1型(EHV-1)
1例がPCR検査によって確定診断された。感染馬は両側鼻孔からの漿液性鼻汁漏出および時折の発咳などの臨床症状を呈した。感染馬は治療され、合併症を併発することなく回復した。同じ施設の他の馬の感染はなかった。
馬ヘルペスウイルス4型(EHV-4)
1例がPCR検査によって確定診断された。感染馬は鼻汁漏出などの臨床症状を呈した。感染馬は治療され、合併症を併発することなく回復した。同じ施設の他の馬の感染はなかった。
腺疫(Streptococcus equi)
1例がPCR検査によって確定診断された。感染馬は食欲不振および発熱などの臨床症状を呈した。感染馬は治療され、合併症を併発することなく回復した。同じ施設の他の馬の感染はなかった。
馬ピロプラズマ病
風土病としてスペイン全土に存在している。
腺疫
腺疫はスウェーデン全土に存在する風土病ですべての種類の馬が感染する。すべてが研究施設で検証されたわけではないが、約20施設で発生した。
馬インフルエンザ
1件の発生がSVA laboratoryでPCR検査によって確認された。発生は限局的で、2施設10頭のサラブレッド種が感染した。これらの施設ではワクチン接種状態が不十分であったことが推測された。
サルモネラ症
2009年11月4日に、トロッター用厩舎の1頭の競技用馬での限局的な発生が確認された。この厩舎は現在も隔離されており、検体が採取されている。厩舎および放牧場の消毒が実施された。
馬の非定型ミオパシー(EAM)(Clostridium sordellii)
2009年10月に、非サラブレッド種の馬における限局的な発生で臨床的には重度の症例が報告され、臨床症状と剖検によって確定診断がなされた。15施設で感染が確認され、30頭が死亡し、生き残ったものはほとんどなかった。少なくとも1例については、以前に本症の感染があった施設での発生であった(2007年第4四半期の報告を参照)。
グラスシックネス(Equine Grass Sickness)
2009年10月に、1頭の非サラブレッド種の馬で本病の発生が報告された。確定診断は、臨床症状および剖検によってなされた。
サルモネラ症
2009年11月に1件の発生が報告され、1施設3頭の非サラブレッド種の馬が感染した。発生は限局的で、臨床症状は重度であった。確定診断は、菌分離および臨床診断によってなされた。同時期(11月22日および26日)に3頭の馬が疝痛で診療所を受診した(2頭は便秘、1頭は結腸捻転)。便秘の馬(12歳と13歳)は結腸炎のため安楽死の処置を施されたが、うち1頭からはClostridium
perfringensが検出された。手術を受けた馬(結腸捻転、12歳の温血種牝馬)は、合併症を起こすことなく生き延びた。
レプトスピラ症
2009年8月12日に最初の発生があり、9月24日に最後の発生が報告された。確定診断はエトリーク国立レファレンスラボラトリーにおいて、血清学的検査およびMATによってなされた。この発生では、1施設2頭の繁殖用馬が感染した。臨床症状は認められなかった。
馬ヘルペスウイルス(EHV-1、EHV-4)
2009年11月2日に最初の発生があり、12月20日に最後の発生が報告された。確定診断は、イスタンブール大学ならびにアンカラ大学獣医学部においてPCRおよびRT−PCR検査によってなされた。この発生は限局的で、1施設41頭の繁殖用馬およびサラブレッド種がEHV-1およびEHV-4に感染し、臨床症状は軽度なものから重度なものまで様々であった。
馬伝染性子宮炎(Taylorella equigenitalis)
2009年10月14日にサラブレッド種1頭で本病の発生が報告された。確定診断はウェイブリッジの獣医学研究所において、菌分離およびPCR検査によってなされた。2009年11月に提供された中間報告によると、感染馬と接触したすべての馬はCEMの検査で陰性であった。感染馬は抗生物質の局所および全身投与によって治療され、3回の培養検査でいずれも陰性であった。この馬は、その後輸出された。感染源は不明のままであるが、UAEへ輸入される以前に感染していたと考えられた。
馬ピロプラズマ病(Babesia caballi と Theileria equi)
アラブ首長国連邦において、馬ピロプラズマ病は非サラブレッド種の馬で風土病として発生がみられる。診断は、ドバイにあるCentral
Ventral Research Laboratoryにおいて、血清学的検査および原虫の分離によってなされている。
腺疫(Streptococcus equi)
2009年10月1日にイタリアから14頭の馬が輸入され、10月7日に検疫から解放されてアラブ種繁殖牧場へと移動した。10月20日に、この牧場で最初の数頭が下顎リンパ節の膿瘍を呈し、その後培養したところStreptococcus
equi陽性であった。その後の調査によって、この牧場では2009年7月および11月にイタリアから馬を輸入した後に腺疫の発生があったことが明らかとなった。このアラブ種繁殖牧場は検疫下に置かれ、計14頭が腺疫と診断された。感染が疑われる馬は、喉嚢を内視鏡で検査し、PCR検査のための採材と培養を行った後、ペニシリンを注入した。馬群全体についてcELISAによる検査を実施した。臨床的に感染が疑われる馬(発熱)とPCR検査陽性または培養検査陽性の馬は、週2回の採材による検査で3回陰性となるまで隔離された。この報告を作成している時点で、この発生の終結が宣言される前の最終確定診断を、残り2頭が待っている状態である。
馬ヘルペスウイルス1型(EHV-1)による流産
サラブレッド種繁殖牝馬1頭でEHV-1による流産が発生し、胎子組織からのウイルス分離により診断された。この牝馬は最近EHV-1およびEHV-4に対するワクチン接種を受けていた。
馬ヘルペスウイルス1型(EHV-1)による神経疾患
2010年1月4日に発生したイギリス南部におけるEHV-1による神経疾患については、現在も継続して発生している。目下、この牧場の馬から採取した鼻咽頭(NP)スワブおよびヘパリン加血のウイルス学的検査が実施され、PCR検査によって確定されるEHV-1陽性馬の数はさらに増加している。神経症状を呈した症例と密接に接触した3頭の馬から採取された陽性NPスワブ2検体とは別に、NPスワブ10検体およびヘパリン加血3検体からEHV-1が分離され、その結果、この牧場では合わせて12頭の馬から得られた15検体からEHV-1が分離された。
四肢が腫れ、体調が優れない1頭の馬が、NPスワブおよびヘパリン加血の両方でEHV-1陽性となったが、今日までにそれ以外の臨床例は報告されていない。完全に清浄化が確認され、現在実施されている制限が解除されるまで、血清学的およびウイルス学的検査が続けられる予定である。
馬ヘルペスウイルス2型(EHV-2)
2頭の子馬(16ヶ月および4ヶ月齢)の鼻咽頭スワブからEHV-2が分離された。
馬ヘルペスウイルス3型
1頭の馬で、ウイルス中和試験においてEHV-3に対する抗体の陽転が認められた。この件についてこれ以上の情報は得られてない。
馬ヘルペスウイルス4型(EHV-4)による呼吸器感染症
軽度の発熱、発咳、漿液性の鼻漏およびリンパ節の腫脹などの症状を呈した18ヶ月齢のセン馬からEHV-4が分離された。
馬インフルエンザ
この四半期で本病の発生が7件報告された。
◇発生の詳細
ウェールズのモンマス州で2頭のポニー(28歳および19歳)と1頭の馬(年齢不詳)が発熱、粘液膿性の鼻汁漏出、休息時の頻回の発咳および食欲不振などを呈し、鼻咽頭スワブの核蛋白ELISA検査によって馬インフルエンザ陽性となった。うち1頭からのみ、ウイルスが分離され、解析が行われた。血球凝集抑制(HI)試験による血清学的検査では、最近の馬インフルエンザのウイルス活性と一致した。発生があった預託厩舎の47頭の馬のうち、ワクチン接種を受けていなかった30頭は臨床症状を呈したが、受けていた12頭は臨床的には影響を受けなかった。
スコットランドのラナーク州で、ワクチン未接種の10歳の馬が鼻咽頭スワブの核蛋白ELISA検査によって馬インフルエンザ陽性となった。この馬は、数日前にショーから帰厩して以降、呼吸器症状を呈していた馬と接触していた。
イングランドのノッティンガム州で、ワクチン未接種の牝馬が呼吸器症状および発熱を呈し、鼻咽頭スワブの核蛋白ELISA検査によって馬インフルエンザ陽性となった。この馬は、別の牧場の馬と一緒に猟に出ていた。この馬以外に、猟に出た馬での発生は報告されていない。
イングランドのドーセット州で2頭のポニーが臨床症状を呈し、鼻咽頭スワブの核蛋白ELISA検査によって馬インフルエンザ陽性となった。この発生の2週間前、別の2頭のポニーがアイルランドの異なる場所からこの牧場へ輸送されていた。この発生には5頭のポニーが含まれていたが、うち3頭はワクチン未接種で全頭が感染した。感染馬のうち1頭からウイルスが分離され、解析された。またペア血清でのHI試験では、5頭中4頭で抗体の陽転が確認された。
スコットランドのパースの預託厩舎で、前の週に飛越ショーに出場した牝馬が鼻咽頭スワブの核蛋白ELISA検査によって馬インフルエンザ陽性となった。別の5歳の馬はより重度の症状を呈したが、採材の時点では陰性であった。
3牧場12頭のワクチン未接種の馬が、イングランドのヨークシャー州で狩猟の大会に出場した後、呼吸器症状を呈した。うち4頭で鼻咽頭スワブが採取され、このうち3頭が核蛋白ELISA検査で陽性となった。ペア血清によるHI試験が12頭中9頭について実施され、6頭でH3N8馬インフルエンザウイルスに対する抗体の陽転がみられ、残りの3頭は最初の検査より前に馬インフルエンザウイルスに感染していたことが示唆された。
ウェールズのブリッジェンドの30頭の馬群のうち2頭が鼻咽頭スワブの核蛋白ELISA検査によって馬インフルエンザ陽性となった。感染馬は標準的な馬インフルエンザの症状を呈し、この馬群のうちワクチン接種を受けていない20頭も症状を示した。すべての馬はこの数ヶ月間はこの牧場を離れていないらしいことから、ウイルスは人との接触を介して間接的に侵入したと考えられている。
◇馬インフルエンザウイルスの解析
モンマス州、ラナーク州、ノッティンガム州、ドーセットおよびブリッジェンドの発生において分離されたウイルスの遺伝子解析により、これらのウイルスはH3N8馬インフルエンザウイルスのアメリカ系統株フロリダ亜系統クレード1に属することが明らかとなった。対照的に、ヨークシャー州と、おそらくはパース州(部分的なHA解析しか実施されていない)での発生において分離されたウイルスはフロリダ亜系統クレード2に属していた。このことは、イギリスで初めてクレード1ウイルスが確認された2003年以降の数年間と比較して、イギリス国内においてクレード1ウイルスがより多く、また広範囲に存在していることを示唆している。ドーセットでの発生を起こしたウイルスは、アイルランドから輸入されたポニーと一緒に導入されたと考えられる。
馬伝染性貧血(EIA)
2010年1月19日にイギリス環境・食糧・農村地域省(Defra)によって発表されたEIAの発生は、現在も継続中であるがそれ以降の新たな症例は出ていない。昆虫学の専門家の意見によれば、媒介昆虫(アブ)はこの時期には幼虫しかイギリスには存在しないため、媒介昆虫による機械的伝播は今回のケースでは適用されないと考えられる。詳細な疫学的調査が現在進行中である。
馬伝染性子宮炎(CEM)
2008年から2009年の発生においてTaylorella equigenitalis陽性と診断された種牡馬は計22頭、牝馬は計5頭である。2009年第4四半期において、新たな保菌馬は確認されなかった。米国農務省(USDA)国立獣医学研究所で行われた研究によると、種牡馬および牝馬から分離された菌は、パルスフィールドゲル電気泳動において、すべて同一のバンドパターンを示した。この泳動パターンは、アメリカで以前に分離された菌株ともヨーロッパのいくつかの研究所から提供された菌株とも異なっていた。
東部馬脳炎(EEE)
2009年のEEEの発生数は計296例であり、2009年9月末の報告からは47例増加した。
感染馬の大多数は南部の州で確認され、その内訳はフロリダ州73頭、ジョージア州43頭、ミシシッピ州43頭、ルイジアナ州28頭、アラバマ州23頭およびノースカロライナ州23頭であり、これまでで最多の発生であった。年間296例という発生数は、2008年のアメリカ国内の発生数185例を大幅に超えている。
ウエストナイルウイルス感染症(WNV)
2009年第4四半期には77例の馬のWNVが報告され、2009年の年間発生数は241例となった。発生数が多かったのはワシントン州(72例)、コロラド州(21頭)、カリフォルニア州(18頭)およびテキサル州(18頭)であった。馬における発生数は、ヒトで報告された神経侵襲性疾患663例という数字にくらべて有意に少ない。
馬ピロプラズマ病(EP)(Babesia caballii and Theileria equi)
2009年10月初旬、USDAは12州357頭の馬におけるEPの発生を発表した(すべてT.equiに対する抗体陽性)。このうち289頭は、テキサス州の発端牧場の馬であった。他の11州で発見された陽性馬62頭はすべて疫学的に発端牧場と結びついていた。この牧場における臨床症状を伴うEPの発生は1例のみであった。これらの州におけるT.equi陽性馬に対するコホート追跡調査では、感染の拡大に関する証拠を発見することはできなかった。摘発された陽性馬はすべて、当局の検疫下に置かれている。発端牧場で採集されたAmblyomma
cajennenseというダニが、実験的にT.equiを媒介する能力を有することが明らかとなった。
12月下旬、ニューメキシコ州における競馬場のスクリーニングプログラムによって、新たに3例のT.equi感染馬が摘発された。いずれもEPの臨床兆候は呈していなかった。この陽性馬のグループと、現在調査中のテキサス州南部の牧場を発端とする広範囲のT.equi感染との間に疫学的な関連はなかった。
馬インフルエンザ
2009年の最後の3ヶ月においては、ケンタッキー州およびテキサス州で散発的な感染例が確認されたのみで、馬インフルエンザウイルスの活動はほとんどみられなかった。
腺疫
多くの州から報告される発生のうわさを除いては、インディアナ州の競馬場およびケンタッキー州の5施設で腺疫の発生が確認された。
馬ヘルペスウイルス感染症
馬ヘルペスウイルス4型(EHV-4)による呼吸器疾患がケンタッキー州のいくつかの施設で、馬ヘルペスウイルス1型(EHV-1)による呼吸器疾患がメリーランド州の1施設で、それぞれ発生した。ケンタッキー州では、非神経病原性株のEHV-1による5例の流産が確認された。2件の馬ヘルペスウイルス脊髄脳症の発生が、フロリダ州およびルイジアナ州の競馬場で、それぞれ1頭づつ報告された。ルイジアナ州の発生は、非神経病原性株のEHV-1によるものであった。このうち1頭は安楽死の処置が施された。
馬伝染性貧血(EIA)
ニュージャージー州の1施設で、EIAの発生が1例報告された。感染したのは、最近、ペンシルバニア州のセールで馬の保護グループによって購買されたポニーであった。
レプトスピラ症
2009年第4四半期において、L.interroga serovar pomonaよる流産が計18例確認された。これらの大多数は、個別の施設における散発的な発生であった。
増殖性肉芽腫性腸炎(Lawsonia intracellularis)
Lawsonia intracellularisの感染による増殖性腸炎の発生が、ケンタッキー州で21例およびオハイオ州で2例報告された。
報告未着
・世界の馬伝染病発生情報