世界の馬伝染病情報


1998年・第1 四半期(1月−3月)の伝染病発生状況についての報告

(International Collating Center からの情報)1998年4月20日

オーストラリア:

サルモネラ − 1998年1月5日および1998年2月13日に発生。血清型/株:グループBおよびグループE。クイーンズランド政府獣医学研究所において、病原菌が分離された。2施設で2頭の馬が感染。激しい下痢を呈し、生後5週間および8週間の仔馬が感染。

ロドコッカス・エクイ − 1998年1月に発生。最終報告例は、1998年1月23日。クイーンズランド政府獣医学研究所において、病原菌が分離された。発生は限局的で、3施設で、3頭のサラブレッドが感染。

腺疫 − タウンバおよび他の州政府獣医学研究所において、病原菌が分離された。発生は限局的で、サラブレッドおよび非サラブレッドが感染。3施設で4頭の馬が感染。感染したのは生後6週間から4カ月までの仔馬と、3歳の雌の仔馬1頭である。

カナダ:

 現時点では、報告すべきことは何もない。

デンマーク:

 報告事項なし。

フランス:

インフルエンザ − 血清学的に診断。

 サラブレッド: Calvados(2厩舎), Maine et Loire, Moselle, Oise(6厩舎), Orne, Rhone。

 非サラブレッド: トロッティング用馬 − Calvados, Maine et Loire, Sarthe, Seine et Marne, Yvelines。

 その他(アラビアン − Allier, Haute Garonne。

馬ヘルペスウイルス(流産型) 

 サラブレッド :Orne.

 トロッティング用馬 :Orne.

 サラブレッド x 乗用馬: Orne。

馬ヘルペスウイルス(呼吸器型) − 血清学的に診断。

サラブレッド: Alpes Maritimes, Bouches du Rhone(3厩舎), Calvados(4厩舎), Gironde, Loire Atlantique, Maine et Loire, Morbihan Moselle, Oise(10厩舎), Orne(3厩舎), Pryrenees(Hautes), Rhin(Bas), Rhone(3厩舎), Sarthe, Seine et Marne, Yvelines(6厩舎), Val d'Oise。

非サラブレッド: トロッティング用馬 − Calvados(6厩舎), Dordogne, Maine et Loire(2厩舎), Mayenne(2厩舎), Nord, Sarthe, Yvelines, Tarn et Garonne, Val de Marne, 乗馬用の馬 − Calvados, Moselle, Nord, Orne, Seine, Seine et Marne(4厩舎), Yvelines(5厩舎), Yonne, Essonne(5厩舎)

その他 − Allier, Eure-et-Loire, Indre, Loire Atlantique, Lot, Nord, Yonne, Essonne。

ピロプラズマ病 − フランス南部の風土病である。

ドイツ

馬ヘルペスウイルス(流産型) − 1998年1月14日および1998年3月6日に血清タイプEHVー1が発生。FUベルリンの Titto Hannover によって確認。血清学的およびウイルスの分離によって診断。2厩舎で、いずれもEHVワクチンの接種を受けた2頭の馬が感染。

香港

 報告事項なし。

アイルランド共和国

馬ヘルペスウイルス(流産および麻痺型) − 1997年11月および1998年1月に発生。EHVー1株が関与しており、ウイルス分離、免疫蛍光法により、アイリッシュ・エクイン・センターおよびアボッツタウンのCVLで確認された。限局的に発生し、5施設で5頭のサラブレッドが感染。1頭の雌馬は完全にワクチン接種を受けており、1頭が2/3のワクチン接種を受けており、3頭はワクチン未接種であった。30頭以上の馬がいる厩舎では、1頭流産、数頭が血清反応が陽性。1頭麻痺。ウイルスが分離され、中枢神経系に病変があった。

馬ヘルペスウイルス(流産型) − 1998年2月26日に発生。EHVー4株が関与している。モノクローナル抗体を用いた免疫蛍光法により、アイリッシュ・エクイン・センターで診断。ワクチン未接種のサラブレッド厩舎で発生。

馬ヘルペスウイルス(呼吸器型) − 1997年10月に発生。EHVー4株が関与している。ウイルス分離およびモノクローナル抗体を用いた免疫蛍光法により診断。育成場のワクチン未接種サラブレッドや複数の2歳馬(2厩舎)が感染。

腺疫 Streptococcus equi subsp. − アイリッシュ・エクイン・センターにおいて、菌分離により診断された。発生は限局的で、6施設6頭が感染。

サルモネラ症 S.typhimurium - 1例。アイリッシュ・エクイン・センターにおいて、病原菌の分離により診断された。

サルモネラ症 - 3例、タイプ未同定。発生は限定的で、繁殖用ストックおよびサラブレッドが感染。4施設4頭が感染。

馬インフルエンザ − 1997年11月に発生し、アイリッシュ・エクイン・センターにおいて血清学的に診断された。トレーニング中のサラブレッドが感染。発熱、咳、鼻水。

イタリア:

馬ヘルペスウイルス(流産型) − 非ーサラブレッドに3件の流産。1回の流行。

ピロプラズマ病 Babesia caballi − 風土病的、中央および南イタリア。

腺疫 − 散発的に発生。

日本:

サルモネラ症(S. abortus equi) − 1997年11月に流行が始まる。12施設22頭の非サラブレッドが感染。

馬ヘルペスウイルス(流産型) − 繁殖用ストック、13頭が感染。うち5頭はワクチン接種を受けていた。

馬伝染性子宮炎 − 繁殖用ストック、5頭が感染。

破傷風 − 1998年1月に発生。2施設2頭が感染。

1997年 第4 四半期についての報告の訂正

サルモネラ病(S. abortus equi) − 1997年11月に流行が始まる。8施設40頭の非サラブレッドが感染。

オランダ:

馬ヘルペスウイルス(流産型) − 少数の流産が発生。流行は1回、約10頭が感染。

馬ヘルペスウイルス(麻痺型) − 流行は1回、約10頭が感染。

馬伝染性子宮炎  − 1つの施設で2頭が感染。

ニュージーランド:

腺疫 − 政府の動物保健研究所が菌分離により診断。発生は限局的で、1施設1頭が感染。ワクチン接種歴は不明。ニュージーランド国内では、S.equi についてのワクチンが入手できる。

ノルウェイ:

 報告事項なし。

シンガポール:

 報告事項なし。

南アフリカ共和国:

バベシア症 − 南アフリカのほぼ全域に流行。

アフリカ馬疫 − Onderstepoort 獣医学研究所においてウイルス分離によって診断。報告によれば、発生期間は1998年1月19日ー1998年3月23日。

分離の総数19例(9例は Kwazulunatal、7例は Gauteng、2例は Free State, 1例は Mpumalanga)。

スウェーデン:

腺疫 Streptococcus equi − 発生は限局的で、10施設10頭。

インフルエンザ A-2型  − 1例で、症状は軽い。血清学的方法により診断された。

馬伝染性子宮炎 − 1頭の種雄馬(ノース・スウェディッシュ)が感染。この種雄馬と交配した雌馬については、現在検査中で、現在隔離している。

スイス:

ピロプラズマ病 − 1998年1月から発生し、最終報告症例は1998年2月。血清学的および臨床症状により診断。6施設で、約6頭が感染。

馬ヘルペスウイルスー1型 − 1998年1月から発生し、最終報告症例は1998年2月。血清学的および臨床症状によって診断。発生は限局的で非サラブレッドが感染。2施設2頭が感染。

馬ヘルペスウイルスー3型 − 1998年3月から発生し、最終報告症例も1998年3月。臨床症状により診断。発生は限局的で、2施設2頭が感染(輓馬種牡馬と、若干数の雌馬も)。

腺疫 Streptococcus equi − 1998年1月から発生し、最終報告症例は1998年2月。4施設が影響を受けたが感染個体数は不明。

馬伝染性子宮炎 − 1997年の末から発生し、最終報告症例は1998年2月初旬。ベルン大学にて診断。発生は限局的で、1施設1頭の馬が感染。(ウオームブラッドの種牡馬)。種牡馬は、オールデンブルグ(ドイツ)で購入し、輸入された。

トルコ:

 残念ながら、報告を受けていない。

アラブ首長国連邦: 

ピロプラズマ症 Babesia equi − 風土病である。

 Babesia caballi − 風土病である。

ロドコッカス・エクイ − 1998年3月16日に発生。菌分離により診断された。発生は限局的で、1頭が重度な肺炎を呈す。

英国:

インフルエンザ Aー2型 − 英国南部のサラブレッド競走馬/障害馬に流行。感染は4施設にて診断され、急速に広がったが、臨床症状は極めて軽度。血清学的に診断。感染は、北部および東部のワクチン未接種の非サラブレッドにも流行。同日に NPELISA および血清学的に診断された。ウイルス分離は、現在進行中である。全く免疫のないワクチン未接種の若いポニーにおいては、症状が重くなることが予測される。

アメリカ合衆国:

馬伝染性子宮炎(CEM) − 1997年12月中、および1998年2月に、最近ドイツから輸入されたウオームブラッドの種牡馬3頭からTaylorella equigenitalis が分離同定された。連邦検疫所での検疫中に、種牡馬が交配した雌馬及び種牡馬の生殖器から分離された。ニュージャージー州、ウエスト・バージニア州、およびケンタッキー州で分離された T.equigenitalis のストレプトマイシン感受性株を用いて種牡馬の検査を行った。12月末に、カリフォルニア州において雄のロバ1頭から「CEM様」の細菌が分離された。このロバはこの3年間、馬およびロバに人工授精するための精子を採取されていた。ケンタッキー州では、「CEM様」の細菌が、州内の3頭の雄(2頭の雄ロバおよび1頭のペイント・ホースの種牡馬)と、6頭の雌から分離された。ケンタッキー州農業省は、繁殖シーズン前に、州内の試情馬および授乳雌馬の検査を実施するよう指示した。その結果、授乳雌馬に1陽性例が確認された。この細菌は Taylorella equigenitalis に類似しているが、研究所で差異が認められ、引き続き検査している。現在のところ、菌分離と臨床症状との関連性は認められていない。

馬ヘルペスウイルスー1型(神経疾患) − 1月にニューヨークとペンシルバニアから、3月にバージニアから、EHVー1 型に関連した神経疾患の流行が3件、報告された。臨床症状を示した馬は、10_30頭であった。ニューヨークで感染した馬には競走馬も含まれていたが、他の2州の感染馬は乗用馬であった。この流行において、安楽死または死亡した馬が少数いた。

馬ヘルペスウイルスー1型(流産) − 11月から3月の末までの間に、レキシントンにある家畜疾患診断センターによって「EHVー1型流産」と診断された馬のうち、14頭がサラブレッドであった。

アイスランドにおける馬の不明疾患

 ICCはOIEを通じて、「1998年2月に Reykjavic 近くの厩舎で発生し、すぐに広まった、馬だけが感染する 不明疾患」について、助言を行った。罹患率は非常に高い(ほぼ100%)が、症状は軽い。死亡率は 0.1ー0.2%であり、感染した約4万個体のうち、50頭程度の馬が死亡した(1998年4月6日の時点で)。アイスランドには、約8万頭の馬がいる。病原は分かっていないが、ウイルスであると信じられている。

潜伏期は2ー8日で、感染馬は、(通常はわずかな)体温上昇および無気力な態度を示し、餌を食べなくなることもある。一部のケースでは、重症の白血球減少症を呈す。この疾患は一般に、2ー3日間で治る。剖検では、小腸粘膜の腫脹を認める。インフルエンザ、EAV、ライノウイルス、AHS、レオウイルス、EHV、アデノウイルス、ロタウイルス、P13、ベルネ・ウイルス、EIA、大腸菌、および E.risticii についての検査結果は、すべて陰性である。


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