1998年・第2四半期(4−6月)の伝染病発生状況についての報告
(International Collating Center からの情報)1998年7月16日
オーストラリア:
腺疫 − クイーンズランド州の政府研究機関で臨床的に診断された。発生は限局的で、サラブレッドの感染は認めず。ワクチン接種歴は不明。ビクトリア州で催された2回の耐久競技において、参加馬に腺疫が発生。伝播は緩慢。主な症状は鼻漏で、感染個体の総数は不明。クイーンズランドでは2症例報告されており、病原体は S.equiであった。
流産 − 1998年5月に発生。最終報告例は、1998年6月。症状とは関連性のない様々な細菌が分離された(最終的ではない)。クイーンズランド政府獣医学研究所にて検査された。発生は限局的で、サラブレッドおよび非サラブレッドが感染。7施設、10頭が感染。ウイルスは分離されていない。
カナダ:
報告すべき疾病の発症はない。
デンマーク:
馬ヘルペスウイルス感染症(麻痺型) − 国立獣医学研究所で血清学的方法および臨床症状によって診断。発生は限局的で、非サラブレッドが感染。1施設、1頭が感染。ワクチン接種歴は不明。
フランス:
1998年・第1 四半期追加情報:
馬ヘルペスウイルス感染症(神経型) − 乗用馬: グルノーブル(イゼール、フランス南東部の県)で開催された国際CSO期間中に、イタリア・ミラノからの1頭が運動失調を呈し、安楽死処置となった。EHV_1 は分離されなかったが、PCR法によって同定された。
1998年・第2 四半期についての報告:
インフルエンザ − ウイルス分離によって診断(CNEVA/LCRV de Maisons_Alfort):ポニー1頭 - ヴァル・ド・マルス県、血清学的に診断。
馬ヘルペスウイルス感染症(流産型) − 蛍光抗体法によって診断:乗用馬、マーンシュ県。
馬ヘルペスウイルス感染症(呼吸器型) − 血清学的に診断:
ピロプラズマ病 − フランス南部の風土病である。
ドイツ:
報告事項なし。
香港:
報告事項なし。
アイルランド共和国:
馬ヘルペスウイルス1型感染症(流産および麻痺型) − 1998年4月6日に発生、1998年5月に3症例、最終報告症例は1998年5月27日。アイルランド・エクインセンターおよびアボッツタウンCVRLにおいて、ウイルス分離及びモノクローナル抗体にて同定。発生は限局的で、9施設で繁殖牝馬およびサラブレッドが感染。1頭の牝馬は完全にワクチン接種を受け、他の1頭の牝馬は部分的なワクチン接種を受けていた。3施設 - 流産のみ、2施設 - 流産のほか、神経型が1例。
腺疫 − 1998年4月に発生。最終症例報告は1998年6月。アイルランド・エクインセンターにおいて、菌分離により診断。発生は限局的で、繁殖牝馬およびサラブレッドが感染。5施設20頭が感染した。
サルモネラ症 - アイルランド・エクインセンターにおいて、菌分離によって確認。発生は限局的で、3施設3頭が感染した。
イタリア:
ピロプラズマ病 − 風土病である。
腺疫 − 散発的に発生。
オランダ:
馬ヘルペスウイルス感染症 − 少頭数。詳細は不明。
ニュージーランド:
報告事項なし。
ノルウェイ:
腺疫 − 1998年4月、ノルウェイ東部で少頭数の馬が感染。競技用馬ではない。
シンガポール:
報告事項なし。
南アフリカ共和国
アフリカ馬疫 − 最終症例報告は、1998年5月25日。Onderstepoort 獣医学研究所においてウイルス分離により診断。今回の報告は、1998年3月23日から5月25日の最終症例までの報告である。ウイルス分離の合計数は、17症例(8症例は Gauteng、3症例はNorthern Province、3症例はFree State、2症例はKznatal、そして1症例はNorthern Cape)。
サルモネラ症(S.typhimurium) − 1998年4月の第1週に発生し、最終症例報告は、1998年4月の第2週。アラートン獣医学研究所において菌分離により診断。発生は限局的で、サラブレッドが感染。1厩舎、12頭が感染。Kznatal の1サラブレッド牧場で、12頭の仔馬が離乳後、鶏糞肥料にて施肥された牧草地へ移動したところ、全頭が下痢を発症し、2頭が死亡した。当時、非常に湿った泥だらけの環境であった。同牧場の他馬は、臨床症状を示さず。
ピロプラズマ病 − 南アフリカの大部分の地域で風土病となっている。
スウェーデン:
腺疫 − 45施設。
インフルエンザ A-2型 − 2症例が隔離。血清学的に診断された。
スイス:
馬ヘルペスウイルス1型感染症 − 1998年3月末から発生し、最終症例報告も1998年3月末。血清学的および臨床的に診断。発生は限局的で、繁殖牝馬および非サラブレッドが感染。3施設で感染。ワクチン接種歴は不明。
馬ヘルペスウイルス3型感染症 − 1998年3月末から発生し、最終症例報告は1998年4月。臨床症状でのみ診断。発生は限局的で、4施設で繁殖牝馬および非サラブレッドが感染。
馬ヘルペスウイルス4型感染症 − 1998年3月末から発生し、最終症例報告は1998年5月。6症例は血清学的および臨床によって診断し、2症例については血清学的に確認。6施設で非サラブレッドが感染。ワクチン接種歴は不明。
ピロプラズマ病 − 1998年4月から発生し、最終症例報告は1998年6月。血清学的に診断。8施設、8頭が感染。1頭は臨床症状、7頭が血清学的診断(3症例は B.caballi、別の3症例は B. caballi およびB. equi)。
腺疫 − 1998年5月から発生し、最終症例報告も1998年5月。臨床的に診断。発生は限局的で、3施設の非サラブレッドが感染。
トルコ:
報告事項なし。
アラブ首長国連邦:
馬ウイルス性動脈炎 − 5歳種雄馬が感染。
ピロプラズマ病 − 風土病。
英国:
馬ヘルペスウイルス1型感染症(麻痺型) − 1998年4月、アニマル・ヘルス・トラストにおいて、血清学的およびウイルス分離により確認。1施設で3頭の非サラブレッドの乗用馬等が感染。すべてに神経症状があり、1頭は安楽死、2頭が回復。同地区の他馬は、呼吸器症状や麻痺症状を呈した。血清学的な抽出検査によって、感染が広範囲に及んでいることが示唆された。
馬ヘルペスウイルス感染症(麻痺型) − 1998年5月、アニマル・ヘルス・トラストにおいて、血清学的に診断。発生は限局的で、1施設、1頭の非サラブレッドの乗用馬等が感染。神経症状(回復した)を呈し、この感染馬に接触した複数の馬が呼吸器症状を示した。スクリーニング検査によって、感染が中程度に広がっていることが示唆された。麻痺症状を示した馬の鼻綿棒検体、およびこれに接触した1頭の鼻綿棒検体から、EHV_4が分離された。しかし、血液からはウイルス分離されず、運動失調を考慮した場合、この所見の臨床的な意義は明らかでない。
馬ヘルペスウイルス感染症(麻痺型) − 1998年7月、アニマル・ヘルス・トラストにおいて、血清学的に診断。臨床的に重症であった1症例は、サラブレッド種繁殖牝馬で野外で横臥しているところを発見され、安楽死処分となった。この馬に接触した仔馬を従えた繁殖牝馬4頭、種雄馬1頭、および当該馬の仔馬については、現在検査中である。
馬ヘルペスウイルス感染症(呼吸器型) − アニマル・ヘルス・トラストにおいて、血清学的およびウイルス分離により診断。
馬ヘルペスウイルス1型感染症(流産型) − 1998年4月、アニマル・ヘルス・トラストにおいて、血清学的およびウイルス分離により診断。接触馬(11頭)を調査した結果、感染はあまり広がっていないことが示唆され、
(11頭中、3頭が血清陽転)それ以降、流産は認めず。
馬ヘルペスウイルス1型感染症(流産型) − 1998年5月に、1症例について、サラブレッド・ブリーダーズ協会から報告を受けた。血清学的に、EHV−1によるものであることが示唆されたが、ウイルス分離用サンプルは提出されなかった。非サラブレッド、1症例、1998年5月13日。
インフルエンザ
腺疫 − 非サラブレッドの馬群において、数件の発生が報告されている。
アメリカ合衆国:
伝染性子宮炎(CEM) − 第1・四半期に複数の症例が報告されて以来、「CEM様」の細菌は分離されていない。これまでにCEM菌の分離はカリフォルニアで、ドイツから輸入されたばかりの2頭のウオームブラッド種の牝馬からであった。
馬ヘルペスウイルス1型感染症(流産型) − この繁殖シーズン中に、レキシントンにある家畜疾患診断センターにおいて、サラブレッドの牝馬のうち21頭が、1型による流産と診断された。過去2年と比較して、発症数が有意に減少している。
インフルエンザ − 4月中に、レキシントンにあるレッド・マイル競馬場において、スタンダードブレッドからインフルエンザ2型ウイルスが分離された。
水胞性口内炎 − 6月26日現在でUSDAに報告されているのは、ニューメキシコの3症例、アリゾナの14症例、およびテキサスの1症例である。